第54話 男子会
「……というわけで今から男子会を開催する!!」
「……何が、というわけなんだよ……。」
始業式が終わり美玖と帰ろうとした所で淳史と濱谷に捕まり、美玖を連れて金澤の元に向かって金澤も連れていった。俺と今日の部活は朝だけだった輝弘も一緒に淳史に連れられてファミレスにいるのだった。
「……そもそも男子会って何をやるんだよ?」
輝弘がドリンクバーで持ってきたコーラを飲みながら言った。その言葉を待っていたと言わんばかりに不敵に笑いながらメガネの縁に手を当てた。
「そんなのは決まってるだろ?輝弘と金澤の進捗がどうなのかを知る為だ!!」
「ぶーーーー!?ゲホッ!?ゲホッ!?」
淳史の言葉にコーラを吹き出しそうになった輝弘がむせていた。
「ななっ!?なんで俺と杏奈についてなんだよ!?そういうのはそこにいるバカップルの話しを聞けよ!?」
「おい、誰がバカップルだ……。」
「バカか輝弘!?このバカップルの砂糖漬けにされるくらいなら初々しい輝弘の話しを聞いた方が面白そうだからだ!!……後は俺の為にもなるからだ!!」
「……お前ら2人で俺と美玖をバカップル扱いするなよな。」
輝弘と淳史の発言に俺は苦言を呈した。俺と美玖はバカップルじゃねーだろ。ちょっと他のカップルよりもスキンシップが多いだけだろうが。
「まぁ、俺も輝弘と金澤が夏祭りの後の残り数日の夏休みをどんなふうに過ごしたのか気になるしなー。」
「猛お前もかよ!?俺は部活もあったんだからそんなに変わるかっての!?」
「でも名前呼びになるくらいには進展したんだろう?」
「うぐっ!?」
俺も気になっていた事を淳史が聞いた。まぁ恋人同士になったんだし、普通に名前呼びにはなるよなぁ。
「それでどっちから名前呼びにしようって言ったんだ?」
「猛!?……俺からだよ……。」
「輝弘からなのか。意外だなぁ……。てっきり金澤からなのかと思った。」
俺の言葉に輝弘は照れながら言った。
「輝弘も随分と男になったではないか!」
「ぐっ!……杏奈はああ見えてウブなんだから俺が引っ張っていかないといけないんだよ。」
「「ほお〜〜」」
「………お前らのニヤケ顔ムカつくんだが!?」
俺と敦史がニヤケながら言ったら輝弘が叫んだ後(もちろんお店の迷惑にならない音量)そっぽを向いてコーラを飲み始めた。
「まぁ、からかうのはここまでにして、輝弘おめでとう。良かったな。」
「おめでとう。次は俺の恋に協力してもらうぞ?」
「………ありがとう。淳史と濱谷かー……俺と杏奈より大変そうだな。」
親友ならではの揶揄いと祝福を受けた輝弘だった。次は淳史と濱谷だけど、濱谷が淳史の事を好きになってるのかが問題だよなぁ。
その後もファミレスで男子会が続いた。
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