第44話 さらば夏の海!!

午後の自由時間を過ごす俺と美玖は人気のない岩の裏に隠れて一回だけにするつもりだったのだが……。


「ふふ♪5回も出すなんて、元気過ぎ❤️」


「初野外が水着姿の美玖と夏の海でって思ったら、一回だけじゃ満足できなかったぜ……。」


「あー、公園とかではまだシたことなかったもんね〜。最初は恥ずかしかったけど、猛と愛し合えてるっていっぱい感じられて、嬉しくて私も盛り上がっちゃった❤️」


……そうなのだ。お互いに盛り上がってしまいなかなか止まらなかった。


「合流時間は夕方にしてあるけど、先に戻っておいた方が良いかもなー。……お互いにシャワー浴びておいた方が良さそうだし。」


「あ〜そうだね!猛が沢山私のお尻にかけてきたから……一応海水をすくって流したけど、匂いがついちゃってるかも……。」


美玖は自分の小ぶりだけどぷりんとしたお尻を撫でながら気にしていた。


「……ホント申し訳ない。美玖のお尻が魅力的過ぎて、我慢出来ませんでした。」


俺は美玖に向かって土下座をした。


「あはは!土下座までしなくて良いのに!……ほらほら、早くシャワー浴びに行こっ!次のカップルがこの穴場を見つけて来ちゃうかもだからさ!」


この岩場に俺を連れてきた時と同じように先に美玖が立ち上がった。

俺もすぐに立ち上がって、手を繋いでシャワー室に向かった。


シャワー室で汗等を流した後はブルーシートの上に座り休んでいた。


しばらくすると夕暮れ時になり、集合時間になった。


「あれ?美玖達が1番早かったんだー!」


先に戻ってきたペアは金澤と輝弘だった。金澤が美玖に声をかけていた。


「私達はちょっとだけ早く戻ってきたんだ〜。先にシャワーも浴びちゃった。」


「……ふふ〜ん。そういうことねー。」


美玖の言葉に金澤がニヤリと笑って美玖と俺を交互に見ていた。


「……な、なんだよ?」


「いやー、美玖と高崎はお盛んですなー。」


「「……うぐっ!」」


俺と美玖は何も言い返せなかった。言い返せないでいると、俺の肩を輝弘が掴んできた。


「……猛。」


「……なんだ?」


「このバカップルがー!!なんだよ!水着姿の彼女と自由時間にエロ三昧って!!うらやまけしからん!!俺にも秘訣を教えろください!!」


「だあーー!!近い、近い!!」


輝弘が叫びながら顔を近づけてきた。今にもキス出来そうな距離感だったので俺は無理矢理引き剥がした。


「……ちょっとそこのエロ男子ー。それを聞いてどうするん?アンタ相手いないじゃんw」


金澤がニヤけながら言った。


「うっせー!!今日で覚悟が決まったから、夏休みの最後にある夏祭りに勇気を出すんだよ!覚悟しとけよ、金澤ー!!……あっ。」


「………へっ!?あっ、そのー……マジで?」


輝弘のほぼ告白に対して顔を真っ赤にしてしまった金澤だった。いつも元気な金澤が顔を真っ赤にしながら俯く姿は新鮮だなー。


「ふふ♪杏奈も女の子だから、嬉しくて仕方ない感じねー。」


美玖が意地悪な笑みを浮かべながら言った。どうやらさっきの仕返しのようだ。


「うっさいうっさい!!上等じゃんか!!受けてたってやんよ!」


ヤケになった金澤がビシっと渡部を指差しながら言った。……もう、お前ら付き合えよ。夏祭りまで待たなくても良いじゃん!


「あぁーー、ちかれたー……。」


「はははは!俺は大満足だ!!」


……続けて疲労困憊の濱谷と高笑いをしながら淳史が戻ってきた。


「淳史は楽しかったみたいだな。……濱谷はお疲れさん。何があったのかは聞かない方がいいか?」


「……あい。頼むから何も聞かないでおくれ……。」


「……おう。」


濱谷は力のない笑みを浮かべながら言ってきたので、俺は何も聞かないことにした。


「ふははは!どうした可奈!言えばいいじゃないか!海に入っている最中に上の水着が取れ……『あああーー!!それ以上言うなぁぁぁーー!!』」


淳史の口に手を置きながらデカい声を出した濱谷だった。


「……すまん。何となく察してしまった。」


「……今の淳史に見られちまったのか。よく、無事だったな?」


俺と輝弘は濱谷が淳史の前でポロリをしてしまった事を察してしまった。

濱谷の止めるタイミングが遅かったのだ。


その後もいろいろあって、着替えを済ませてレンタルした物も返して皆で電車に乗って、それぞれの家に帰るのだった。

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