第39話 公園デート

俺と美玖は家で着替えてから歩いて10分程で着く公園の桜並木通りを歩いていた。春になると桜が咲いて、人が沢山歩く地元では人気スポットだ。


桜が咲いていない時期は公園の花壇に植えられた様々な種類の花が咲いて彩っている。


「夏だから暑いけど、桜並木の影に入ると涼しく感じるね〜。風も気持ちいい。」


「そうだな。暑いからってクーラーの効いた家に引きこもっていたら、体を壊しちゃうしな。」


心地よいそよ風が吹いて美玖の綺麗な髪が揺れている。

美玖はそよ風を浴びて気持ち良さそうに目を細めながら髪を指で耳にかける仕草をした。


美玖はどんな仕草でも可愛く見えるから俺の心臓がドキドキしっぱなしで持たない。


それから2人でゆっくり歩いて花壇に咲いた花を見て回って自販機で飲み物を買って公園内にあるベンチに2人で寄り添いながら座った。


「こうやって、のんびり過ごすのも良いなー。家を出る時間も決めないでゆっくりと2人でいるって何気に贅沢な時間だよな。」


「家を出る時間を決めなかったけど、私の着替えに興奮して襲いかかってきたのは誰かな〜?」


「うぐっ……それは、その……すんません。美玖がエロ可愛くて襲ってしまいました。」


俺の言葉に対して美玖が俺にジト目を向けてきた。

そう、実は家を出る前に生着替えを見た俺は我慢出来ずに美玖に襲いかかってしまったのだ。


着たままシてしまった為、美玖は水色のワンピースから白いワンピースに着替え直す事になってしまった。


「まぁ、私も猛に襲われて最初はビックリしちゃったけど、すぐに猛に襲ってもらえた〜って喜んで盛り上がっちゃったから私も同罪だけどね。」


美玖はすぐに笑顔になった。


「あの後、冷静になってから美玖に怒られるってビクビクしちゃってたよ。落ち着いたら自分の行動に反省したよ。」


「ふふ。賢者モードになってやっと反省したの〜?猛に襲われて私が怒るわけないよ〜。でも、今度はちゃんと言ってくれたら嬉しいな。」


「はい、善処します……。」


「善処するだけなの!?」


美玖に頼む前に襲う自信がある!だって!愛しい美玖が着替えていたら襲いたくなっちゃうだろ!!


「……もう、急に襲われるとビックリしちゃうんだからね?猛には難しそうだし、許してあげる。」


「よっしゃー!!ありがとうございます!!美玖の許しが出たし、これからは我慢しないで襲いまくれる!」


「えっ!?ちょっ、ちょっと待って!あれで我慢してたの!?……えっ?私の体力持つかな……。」


俺の言葉に美玖が驚いていた。俺は現役男子高校生なのだ。男子高校生の性欲を舐めてはいけない。


「よし!公園でもう少しゆっくりしたら、家に帰ろう!そして……グヘヘ」


「猛が壊れちゃった!?うう///でも、猛になら……いいよ?❤️」


美玖の言葉を聞いた俺は無言で立ち上がった。


「……?どうしたの?そろそろまた歩く?」


「……いや、帰ろう!」


「えっ!?きゃっ!……猛にお姫様抱っこされちゃった❤️猛が走り出したー!頑張って、猛!頑張ってくれたら、沢山私をあ・げ・る❤️」


俺は美玖をお姫様抱っこで持ち上げて家に向かって走り出した。美玖の最後の一言により、いつも以上の速度で走っていたような気がする。



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