第33話 皆とカラオケ そのに

俺たち男子が飲み物を持って戻ると、金澤と濱谷がデュオで歌っていた。

その2人を楽しそうに手拍子をしながら笑っている美玖がいた。


「飲み物持ってきたぜ。ほい、美玖の分。楽しそうだな。」


「ありがとう、猛!杏奈と可奈が楽しく歌ってるから、私まで楽しくなっちゃったんだもん♪」


俺は美玖のアイスティーを渡した。

美玖は俺の手からアイスティーを受け取った。


金澤と濱谷が歌っているのはアイドルが歌っている明るい曲で人気の曲だ。

俺は男子側の席に座った。


「つーか、2人の歌声はこういう明るい曲に合ってるよな。」


俺は隣に座る輝弘に言った。


「だなー。普段から明るい2人だから、イメージと合っているってのもあるんだろうけど、2人の歌声が可愛い声だから合うんだろうな。」


輝弘は楽しそうに歌う金澤を見ながら言った。

あの2人はギャルなんだけど、しっかりしてるし、ちゃんと周りの空気を読むし、友達を大事にするんだよな。


美玖も2人と話すうちに内面を知ってからは2人を信頼して友達になって、今は親友になった。


2人の歌が終わった。


「杏奈に可奈も可愛かったよ!」


美玖がはしゃぎながら2人に言った。


「サンキュー、美玖!いや〜、うちらもめっちゃテンション上がっちゃったよ!」


「美玖に可愛いって言われると、照れるなー。やっぱカラオケはテンション上がる!!」


2人は笑いながらマイクを置いてテーブルに置かれていたアイスティーを飲んだ。


「美玖は何か歌わないのか?」


「私はもう2人の前に歌ったから、歌って良いよ。」


俺の言葉に美玖が返してくれた。

美玖は先に歌ったのか……美玖の綺麗な歌声が聴けなくて残念。


「まだ時間はあるんだから、俺たちが歌った後に歌って貰えば良いだろ?」


残念そうな俺の肩をポンポンと叩きながら敦史が言った。


「……それもそうだな。よし!まずは、輝弘が先陣を切ってくれ!」


「よっしゃ!!任せておけ!」


輝弘が曲を入れてイントロが流れ始めると立ち上がった。

野球アニメの曲だった。


それから敦史がロックを歌って、俺はバラードを歌った。


そのまま2周目に入ってそれぞれ好きな歌を歌った。

それからは俺は美玖とデュオをしたり、恥ずかしがりながらも金澤をデュオに誘って一緒に歌う金澤と輝弘に堂々と濱谷をデュオに誘う敦史の2人が歌ったりと楽しい時間を過ごした。


楽しい時間はあっという間で、終了の時間になり、俺たちはカラオケ店を後にして、電車に乗って帰路についた。


「今日は楽しかったぜ!!また遊ぼうぜ!!」


輝弘が元気よく手を振りながら言った。


「おう!また皆で遊ぼうぜ!!輝弘に敦史もちゃんと金澤と濱谷を送っていけよー!!」


俺は美玖と一緒に帰るけど、金澤と濱谷は帰り道は1人になるから、家に送り届けるように言ったのだ。


「ああ、分かっている。じゃあ、また学校でな。猛、輝弘。」


「「おう!!またな、敦史!」」


「杏奈に可奈もまたねー。」


美玖が金澤と濱谷に手を振りながら言っていた。


「またなー、美玖!今度うちらと服を買いに行こうなー!」


「おー!それ良いじゃん!女子だけで服選びとか、ちょー楽しそー!また遊ぼうねー!!」


皆はそれぞれの家に向かって歩き出した。輝弘と敦史はちゃんと金澤と濱谷と一緒に歩いて行った。


「今日は楽しかったなー。」


「うん。楽しかったー!2人に洋服を買いに行く約束もしちゃったし……ふふっ!楽しみ♪」



美玖が笑顔で言った。俺たちは今日の楽しかった事を話しながら家に帰った。

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