第31話 イチャイチャを禁止された2人
俺と美玖は一旦皆と別れて、2人でアミューズメントパークの中を見ながら美玖がやりたいゲームをやって過ごした。
「美玖とこういう施設で遊ぶのって恋人になってからは初めてだよな?」
「うん。幼馴染の頃は猛が遊びに行こうって誘ってくれて、時々ゲームセンターで遊んでたよね。ちょっと懐かしいかも。」
美玖は恋人じゃない時期を思い出したらしく、懐かしんでいた。
「懐かしいけどさ、今も昔もあまり変わってないよな。俺は美玖と一緒に過ごしてたし、アイスとかも食べさせ合いっこしたりしてたし。」
「あ〜、そうかも!キスはしてなかったけど、手を繋いで帰ったりとか普通にしてたもんねー。私達って自覚が無かっただけで、イチャイチャしてたんだね。……今日は手を繋ぐ位しか出来ないけど……。」
美玖が不満な顔をしていた。俺と美玖は敦史の罰ゲームによって過度なイチャイチャを禁止されていた。
俺としても美玖とキス出来ないのが辛い。
「美玖まで巻き込んで悪いな。勝てれば良かったんだけど、敦史には勝てなかったぜ。」
「でも、3人で対決してる時の猛は楽しそうだったよ?……ダンスはとっても面白かったなー。ふふふっ!」
「……リズムゲームは2度とやらないぜ。アレは黒歴史だから記憶から消してくれると助かる。」
美玖が思い出し笑いをしているのを見て、俺は美玖に忘れてもらうように懇願した。
「ダメでーす!猛の面白い姿を忘れるなんて出来ません!」
美玖が笑顔で忘れない宣言をされてしまった。
「そこをなんとか忘れて貰えると助かる!」
「え〜?どうしよっかな〜?……キスしてくれたら忘れられるかも?」
美玖が悪戯な笑みを浮かべながら言った。
今は罰ゲーム中でイチャイチャ出来ないのを知ってて言っている事が分かった。
……敦史は周りに砂糖を吐かせなければ良いって言っていたよな?そもそも、俺と美玖は周りに砂糖を吐かせたことなんて無いけどな!
俺は美玖の手を引いてプリクラ機の中に入っていって、キスした。
「んっ……ふふっ、ここなら誰にも見られずにキス出来るね❤️猛も悪い男の子だな〜。……私も期待しちゃってたから、悪い女の子だよね❤️」
今度は美玖からキスをしてきた。それから俺達は満足するまでキスをして、プリクラを撮ってからプリクラ機を出たのだった。
「流石に長い時間プリクラ機に入ってたから、周りから怪しまれたかな?」
俺は何となく周りからの視線を感じた気がして、美玖に聞いた。
「う〜ん、どうだろ?私は気にならなかったな〜。猛とキス出来て周りが気にならないくらい幸せな気持ちでいっぱいだったからかな❤️」
美玖は自分の人差し指を艶のある唇に触れながら言った。
……その仕草は俺には効きすぎるからダメだって。
美玖の仕草に見惚れていた俺を見て美玖がクスッと笑った。
「ダメだよ、猛?今は我慢してね?この後は皆でカラオケなんだから、ねっ?お家まで我慢だよ?」
「……あい。美玖が止めてくれなかったら、人気のない場所を探す所だったわ……。」
危うく俺の息子も起きてしまう所だった。
「私だって我慢してるんだよ?でも、今日は皆と遊んでるんだから、最後のお楽しみはお家に取っておこう?」
美玖が腕を組みながら言った。
罰ゲーム以降感じられなかった美玖の柔らかな感触と温もりが感じられて俺の顔が緩んだが、罰ゲームの事を思い出して、顔を引き締めてから美玖に言った。
「イチャイチャは禁止されてなかったか?」
「時間的に駅前のカラオケ屋さんに向かわなきゃだから、時間切れだと思うよ?イチャイチャしながら、駅前のカラオケ屋さんに行こ?」
カラオケ屋には指定された時間までに現地で合流することになっているため、このまま向かえば良いか。
結局プリクラ機の中の短い時間のイチャイチャだけでは足りずに、カラオケ屋に向かう前にキスをしまくったのだった。
……俺達の周りの人達が白い物を吐きながら倒れていった。体調が悪いのに遊びたかったのかな?体調が悪い時は家でゆっくりしていような!!
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