第30話 鬼畜メガネの策略

敦史こと鬼畜メガネに負けた俺と輝弘はどんな罰ゲームを言われるのかとビクビクしていると……。


「まずは、昼を食べないか?罰ゲームはその後に伝えるよ。」


敦史が笑いながら言った。今は敦史の笑顔が悪魔が笑っている様にしか見えない。

お昼を皆で食べる為に近場にあったファミレスに移動して、それぞれが好きなメニューを頼んで話しながら食べた。


「いい加減、罰ゲームが何かを言って欲しいんだが?」


昼飯を食べおわってカラオケの時間まで同じ場所で遊ぶことになり、俺達は戻る為に歩いていた。

俺はこれからのことを敦史に聞いた。罰ゲームをするにしても、どんな罰ゲームかも知っておきたい。


「そうだな。またあの場所に戻って遊ぶつもりだが……罰ゲームの内容もむこうに着いてから話す。」


「勿体ぶりやがって……。どんな罰ゲーム言われるか不安なんだが。」


輝弘が言った言葉に俺も頷いた。


「まあまあ、負けた以上は素直に受け入れなよ〜。それにしても、古谷がリズムゲームまで出来るのは意外だったけど……渡部と高崎のダンスは……ぷくくっ!!」


金澤が我慢出来ずに吹き出していた。

……笑うのやめてくれ。


「杏奈、思い出させるのやめろ〜。また、お腹が痛くなるまで笑っちゃうじゃんか〜。」


「ふふっ!猛のダンス面白かったよ!あははっ!」


濱谷はゲラゲラ笑って、美玖も笑っていた。


「えっ?俺らのダンスってそんなにヤバかったのか?」


「……どうやらそうみたいだな。」


2度とダンスゲームに手を出さないと誓った。

アミューズメントパークに戻ってきた俺達は敦史の方を向いた。


「さあ、罰ゲームを教えてもらおうじゃねーか!負けた以上は潔く罰ゲームを受け入れてやる!」


輝弘がヤケクソ気味に言った。


「罰ゲーム内容は簡単だ。これから2人1組になって遊んでもらう。組み合わせは、有村と高崎ペアと俺と濱谷のペア、渡部と金澤のペアだ。」


「……えっ?それだけか?罰ゲームでは無い様な気もするが。」


「もちろん分かっている。俺以外のペアにはカップルとして過ごしてもらう。ただし、高崎達は夫婦だから、2人にはイチャイチャするのを禁止にしよう。」


「「はあーーーー!?」」


金澤と輝弘が同時に叫んだ。俺達はイチャイチャを禁止かー。俺と美玖にとっては中々に酷だな。


「ちょいちょい!何でアタシまで巻き込まれてんの!?」


金澤が顔を真っ赤にしながら言った。


「この鬼畜メガネ!!俺が金澤とカップルとしてイチャイチャしろってか!?」


輝弘も敦史に文句を言っていた。輝弘は金澤の事が好きだから、嬉しいもんだと思っていたけど、恥ずかしいのか?


金澤も輝弘の事が好きなら付き合わせるのも楽なんだがなぁ。

……あっ、もしかして、敦史の奴、2人を近づけるのが狙いか?


「分かった。俺は美玖とイチャイチャしないように努力してみる。それじゃあ、俺達は先に行くな?」


「イチャイチャ出来ないのはかなり辛いけど、頑張って見る。杏奈と可奈もまた後でねー。」


俺と美玖は去っていった。


「ちなみに手を繋ぐ位なら良いからな?周りに砂糖を吐かせるんじゃ無いぞ!」


俺達の背中に敦史の声が聞こえたから、俺は片手を上げて応えた。

まだ未だにギャーギャー騒いでいる金澤と輝弘を放置した。


敦史は濱谷の事が好きだし、今回の罰ゲームは敦史にとっても楽しい時間になるのだろう。

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