第29話 男達の戦い そのに

足でステップを踏みながら得点を稼ぐリズムゲーム機の前で俺達は静かに闘志を燃やしていた。


「ちょうどゲーム機が3つ空いてんじゃん!それじゃあ、男共行ってこーい!!」


金澤の掛け声に俺達はリズムゲーム機にお金を入れてステップ台の上に立った。

リズムゲームはあまりやったことがなく、正直自信がない。


曲が流れ始めてゲームがスタートした。


「うおっ!?これ、難しいぞ!?」


「ヤベっ!!またミスった!!」


俺と輝弘は慣れないリズムゲームに四苦八苦していた。動きがぎこちなさすぎて、変な動きになっていた。


「はははっ!!高崎と渡部の動きヤバすぎ!!笑いすぎてお腹痛いんですけどー!!キャハハ!!」


「あははは!猛、その動きはダメだよ!!ふふっ!」


金澤と濱谷が大声で笑い、美玖は片手を口に当てながら笑っていた。

……俺のダンスは笑える動きらしい。リズム感が無いのかもしれない。


野球部のエースもリズム感はあまり無いようだった。

これならいい勝負になりそうだと思ったけど……。


「うっわ、古谷ってリズム感も良いんだ。」


「ここまで上手いと、逆に引くんですけど……。」


金澤と濱谷が引いていた。

どうやら、2回戦の対決も敦史の勝ちになりそうだった。


慣れないリズムゲームに悪戦苦闘しながらなんとか、クリアすることが出来た。

俺と輝弘は疲労困憊だった。


「くっそ……敦史お前、リズム感もあるのかよ。」


「マジで、何でも出来るんだな。敦史に出来ない事なんて、無いんじゃね?」


敦史は俺達の言葉に苦笑していた。


「俺にだって出来ない事もあるに決まってるだろう?まぁ、今回はこのまま勝たせてもらうけどな。」


敦史はニヤリと笑いながら言った。


「このまま負けっぱなしでいられるか!絶対に敦史に勝ってやる!」


「俺もだ!せめて一勝して、敦史の無敗に傷をつけてやるぜ!」


俺と輝弘はさらに燃えるのだった。


……その後もエアホッケーやレースゲームなど様々な戦いを挑んだが、勝てずに敦史の無敗で俺と輝弘は負けるのだった。


「「あんな、完璧超人に勝てるかーー!!」」


俺と輝弘は敦史の理不尽な強さに叫ぶのだった。


「いや〜、古谷の圧勝で終わったね〜。」


「まぁ、2人ともかなり手強かったがな。という事で、2人には罰ゲームを受けてもらうぞ?」


敦史が意地悪な顔をしながら言った。


「はあ!?昼を奢るって話だったよな!?」


「2人も負けがいるんだから、昼を奢ってもらうよりも、罰ゲームの方が面白いだろ?安心しろ、理不尽すぎる罰ゲームにはしないさ。」


「「この鬼畜メガネ!!」」


俺達は鬼畜メガネに抗議の声を上げたが、無駄だった。

敦史こと鬼畜メガネが考えた罰ゲームの内容は……。


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