第28話 男達の戦い

男で色々なゲームで勝負をしようということになり、ボウリングを1ゲームで勝負をした。


「くっそー、ボウリングは負けか!!」


俺は久しぶりのボウリングということもあって、最初は中々ストライクが取れずにスコアが伸ばせなかったが、途中から慣れてきて巻き返しを頑張ったが、間に合わなかった。


「いやー、久しぶりのボウリングでスコア160はスゲーって!……敦史のスコアが異常なんだよ。」


輝弘が俺の肩を叩きながら言った。輝弘のスコアは175と俺よりも取っていた。

そしてボウリング勝負を制したのは……。


「ふっ……今日は調子が良かっただけだ。まずは俺が一勝だな。」


「「1ゲームパーフェクト出されて勝てるわけないだろ!!」」


俺と輝弘は敦史に突っ込むのだった。


「調子が良かったらパーフェクトが出せるとか、完璧超人すぎるだろ……。」


「勉強も学年1番で運動神経も良いとか、ヤバすぎる。俺よりも生徒会メンバーに向いてるだろ……。」


俺と輝弘は敦史の完璧ぶりを改めて実感した。

敦史はメガネを片手でクイっと上げながら勝ち誇った笑みを浮かべていた。


「だから、調子が良かっただけだって言ったろう?それに将棋に集中したいから生徒会には入るつもりはないしな。それに、高崎みたいにお人好しの性格の方が生徒会に向いてるだろ。」


「猛って文句を言いながらも、なんだかんだで手伝ってくれるから、生徒会に入ってても違和感ないよなー。」


「誰がお人好しだ!!俺は美玖の為に生徒会に参加したんだっての!」


俺が生徒会メンバーになったのは美玖が先輩に誘われて、俺も一緒ならって条件を美玖が出したから生徒会に参加しただけなのだ。

そうじゃなければ、女性だらけの生徒会に入るわけがない。


「たとえ有村さんの為だとしてもさ、誰かの為にそこまで頑張れないもんだっての。」


「もう、俺の事はどうでも良いから、勝負の続きだ!!負けたままでいられるか!!」


輝弘の真面目で優しい口調に気恥ずかしくなって、話しを遮って次に勝負するゲームを決める為の話し合いに切り替えた。


「ずいぶん無理矢理切り替えたな。……まあいい、どうせならあと3つ勝負しよう。勝負内容は金澤達に決めてもらうのはどうだ?」


「えっ?アタシらが決めていいの?うーん、何がいいかなあ……。」


金澤と濱谷と美玖があーでもないこーでもないと次のゲームを決めているのを見て俺は美玖に言っておきたいことがあった。


「美玖。俺に勝って欲しいからって、俺に得意なゲームを選ばないでくれよ?この2人との勝負は真剣に楽しみたいからさ。」


「ふふっ。うん。大丈夫だよ。猛は負けず嫌いだもんね。私も杏奈達と一緒に猛達の戦いを見るのを楽しんでるから。」


俺の言葉に美玖が可愛い微笑みを浮かべながら言った。


これで少しは美玖も輝弘と敦史への冷たい対応が柔らかくなればいいな。

2人は俺の親友だから、美玖にとっても良い友人になって欲しい。


「じゃあさ!ダンスゲームにしよう!」


「あの3人が踊ってる姿とか絶対おもろいじゃん!!」


「杏奈達が笑いたいだけでしょー?……でも、私も猛が踊ってるところが見たいな。」


「んじゃ、決定ーー!!」


美玖も賛同したのを確認してから、金澤が足早にダンスゲームの場所に俺達を引っ張っていった。


ダンスゲームかー、俺は苦手だけど、2人はどうなんだろう?

グダグダな勝負になりそうだな。

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