第18話 水族館デート そのに
駅から電車に乗り、最寄り駅で降りて歩いて10分ほどの場所にある水族館に着いた。
「ここの水族館も久しぶりだなー。」
「久しぶりだねー。今日は幼馴染じゃなくて、恋人として来てるんだね。昔の私に伝えてあげたいな〜。私の初恋はちゃんと実ったよって言いたいな。」
美玖は幼馴染だったときの事を思い出しているのか目を細めて笑っていた。
俺は組んでいた腕を解いた。腕を解かれた美玖は驚いた顔をしていたが、俺は美玖を抱きしめた。
「俺は言葉で上手く好きな気持ちを伝えるのって苦手だから、こうやって抱きしめてあげたり、キスをして行動で伝えていくよ。美玖をずっと愛していく自信があるからな!」
抱きしめていた状態から身体を離して美玖の両肩に手を置いて笑顔で美玖に言った。
「私も!猛の事をずーっと好きだもん!!ふふっ、猛〜。」
美玖が俺に抱きついて頭を俺の胸にスリスリしてきた。甘えたい時に美玖がやる行動の一つだ。
「美玖は可愛いなー。っと、そろそろ水族館デートを始めようぜ?」
美玖の頭をしばらく撫でてあげてから水族館デートを始めるように美玖に言った。
まだ俺達は入り口でイチャイチャしてるだけだし、水族館デートに来たのに水族館に入らずにイチャイチャして終わりましたじゃダメだしな。
「うん!入ろっか!手を繋いで歩こう!」
美玖が手を差し出してきた。俺は美玖の手を握って指同士を絡めて恋人繋ぎをしてから水族館に入った。
「わあ!前よりも中が変わってるー!前はクラゲコーナーなんて無かったよね?」
入り口に入ってから案内に従って歩いていくと、クラゲの入った水槽が色とりどりのライトに照らされていた。
「俺達が来てから2年近く経ってるから改装がされててもおかしくはないんじゃないか?クラゲってこんなに映えるんだな。」
「あー、確かにそうだね。ライトに照らされたクラゲは幻想的だよねー。」
俺達はゆっくり歩きながら水族館を見て回った。
小魚のコーナーでは小さな身体で泳ぐ魚に癒されたり、普段見れない魚の仕草に笑ったりした。
「ねえねぇ!イルカショーが始まるんだって!行ってみない?」
「おう。行ってみるか。」
イルカショーの場所である大きな水槽?プールって言うのか?分からないけど、移動した。
「……沢山お客さんいるねー。」
「……そうだな。座れる場所は……1番前の濡れる場所だけだな。どうする?」
俺は最悪濡れても良いけど、美玖が濡れて風邪でも引いたら大変だからな。
「うーん、せっかくだし見ていこうよ。2人で濡れるのも良い思い出だよ!」
「美玖が良いなら俺は良いよ。よっしゃ!席に座るか!」
俺達は1番前の濡れる席に座った。
結果は2人とも濡れた。当たり前だよな、この席は濡れますから注意して下さいって書いてあるくらいだしな。
俺と美玖はハンカチで濡れた髪を拭いていた。拭かないよりはマシだろう。
「あはは!ずぶ濡れになったねー!」
「いやー、ここまで濡れるとは思わなかった……。でも迫力があって楽しかったよな!!」
「うん!!濡れてまで前に座った甲斐があったね!くちゅっ!!……ふふっ、クシャミ出ちゃった。」
美玖が可愛いクシャミをした。クシャミまで可愛いとかズルすぎるだろ!!
そうじゃない!!美玖に風邪を引かせるわけにはいかない!!俺はすぐにスマホを取り出して近くのホテルを調べた。
「美玖、ここなら近いから、ホテルで服を乾かそう!」
俺は美玖にスマホを見せた。
「え〜。ここラブホじゃない?……私とシたいの〜?❤️」
「おう!風邪を引いて欲しくないのは本音だけど、カップルデートの終わりには愛しあわないとな!」
「私も同じこと思ってた。猛の人肌で温めてね❤️」
「任せておけ!」
俺と美玖は濡れた服を乾かす為に(それを言い訳にして)ホテルに向かったのだった。
その後は2人で沢山愛し合った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます