第17話 水族館デート

生徒会の仕事もすっかり慣れて俺も雑務などをこなしながら、美玖の補助もしっかりとこなした。


今日からゴールデンウィーク期間に入るので美玖と2人だけで沢山イチャイチャしまくれる!!

今日はこれから水族館に行くことになっている。


「最近は忙しくてなかなかデートの時間も取れなかったから、今日は目一杯楽しもうぜ!!」


「おー!!生徒会のお仕事もやり甲斐があるし、美波ちゃんや麻美先輩達と仲良くなれて嬉しいけど、やっぱり、猛とデートしたかったから、今日が凄く待ち遠しかったんだ〜。」


美玖と俺は家を出てデートを楽しむ為に腕を組んで駅に歩いた。


「今日の美玖はいつもより気合いが入ってるな。可愛いくて綺麗だよ。」


「ありがとう。久しぶりの遠出してのデートだから気合い入れたんだ。猛に可愛いって言ってもらえる為に頑張った甲斐があったよー。猛もカッコいいよ!」


「ありがとう。俺はいつも通りの美玖とデートする格好にしてきちゃったけどな。」


「猛は自然体でもカッコいいからそのままでも良いんだよ!」


美玖は嬉しそうに笑った。

今年のゴールデンウィークは夏のような暑さがあるが、夕方には肌寒くなるかもしれないと思い、俺はTシャツの上に白の薄めの上着を羽織っている。ジーパンと靴も最近買った物を着ている。


美玖はいつもとは違って薄く化粧をしている。

服装は黒のTシャツに膝下まで隠す白のフレアスカートに白のスポサンを合わせている。

髪型もいつものストレートでは無く髪を結んでで一纏めにして右に流してサイドアップにしている。


「そういえば水族館デートは初めてじゃね?」


「あー、そうだね。中学2年の時に行ったけど、あの時はまだ幼馴染だったもんねー。ふふっ、猛は私のアプローチに戸惑ってたよね?」


「しょうがないだろ!あの時はまだ幼馴染から一歩先に進む勇気が出せなくて悩んでた時に美玖が手を繋いできたり、腕を組んできたからドキドキしちゃうって!」


あの頃はまだ幼馴染で水族館に遊びに来ていた。中学の時の俺は美玖を幼馴染として守ろうと思っていた。自分より美玖に相応しい男性がいると思って美玖への気持ちを押し殺していた時期だったな。


「私は小さい時から猛のお嫁さんになりたいと思い続ける位大好きなのに、猛がなかなか手強くて大変だったなぁ。結局わたしから告白しちゃったしね。」


美玖は可愛いピンク色の舌を出してウインクをした。可愛すぎる!!


「あの頃は俺自身に美玖と付き合う勇気がなかったからな……美玖にはずいぶん悪いことしてたなって思うよ。」


「ううん、猛は悪くないよ?私が猛の想いを止められなくなって告白しちゃったんだもん。……ちょっとだけ寂しかったけどね!!」


「……そっか。じゃあ、あの頃の寂しかった思いをさせた分、これからはもっともっと美玖を甘やかすことにするよ!!」


俺はもう美玖に相応しくないとかそんなことで悩むことはしない。だって今はこんなにも幸せそうな美玖と一緒にいられるんだから。


「甘やかしてくれるの?じゃあ、キスして?」


「ここでか!?」


俺と美玖は駅のホームにいる。話している間に駅に着いていた。

普通に周りに人がいるんですが?……ショッピングモールでもキスしてたし今更か?


「んっ、ちゅっ❤️」


俺は美玖の肩に優しく触れながらキスをした。

軽めのキスで終わらせるつもりだったんだけど、美玖が舌を絡めてきた為、思った以上に過激で大人のキスになってしまった。


「猛ー、大好きだよー❤️」


「俺も大好きだよ、美玖。」


今度は美玖からキスをしてくれた。俺達は駅のホームにいることを忘れて、電車が到着するまでひたすらにキスをした。


電車が到着したので、キスをやめて乗り込もうとしたら俺達と一緒に待っていた人たちが皆白い物を口から出していた。


……激甘な料理でも食べたのかな?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る