第16話 女子だらけの生徒会

生徒会に入って1ヶ月が経った。美玖も生徒会の皆とすっかり打ち解けて仲良くなった。


美玖が笑顔で楽しい時間を過ごせているのは良いんだけどさ……この学校なんで生徒会女子ばっかりなんだよ!?男子は俺しかいないから肩身が狭いよ!!


「ねー、美玖ちゃん。体育祭の予算ってこれで合ってるかな?」


俺と美玖の同級生である坂井 美波(さかい みなみ)が話しかけてきた。


坂井さんは小柄な体格でボブカットのショートヘアが似合っている元気いっぱいの女の子だ。明るいから生徒会の雰囲気を明るくしてくれている。


「えっと……うん、大丈夫だよ。計算も合ってるから、このまま麻美先輩に出して良いと思うよ。」


「美玖ちゃん、ありがとう!!」


坂井さんが中谷先輩の元に小走りで駆けて行った。

中谷先輩のこともいつの間にか名前で呼び合うくらい仲良くなっていた。美玖だけじゃなく、生徒会の女子達のコミュ力の高さにはビックリするよ。


「……うん。この予算なら大丈夫ね。お疲れ様。そろそろ見回りの時間だし、学校の中を見て回りましょうか。」


「「はい!」」


中谷先輩の言葉に美玖と坂井さんが元気が良い返事をして立ち上がった。


俺は美玖の補助として呼ばれたけど、書類整理などの雑務をこなしている。

今も俺は書類整理をしていた。


「猛〜、行くよー?」


美玖が俺の腕を掴んで笑顔で言った。


「へっ!?いや、俺まだ書類整理が終わってないんだが!?」


「猛一緒に来てくれないの……?」


美玖が寂しそうな表情で言った。


「ふう……高崎君?書類整理や雑務をこなしてくれて、とても助かっているけれど、貴方の1番の仕事は美玖さんの補助なのを忘れてもらっては困るわ。」


「そーだそーだ!!美玖ちゃんを悲しませるなー!!」


中谷先輩と坂井さんから言われた。

……確かに俺みたいな一般人が生徒会にいるのは美玖の為だもんなー。


「分かりました。じゃあ行きますか。」


「うん!!猛が一緒なら変な男に近寄られそうになっても大丈夫だね!猛が拳でやっつけてくれるもんね!!」


「おう!愛する美玖の為なら俺の本気で叩き込んでやるぜ!!」


「いや……高崎君の本気を叩き込んだら死んじゃうでしょ……。」


俺がエアボクシングをしていると、中谷先輩が呆れた顔をしながら言った。


ちなみに生徒会の皆には俺がボクシングを習っている事は教えてある。というか美玖が自慢していた。


俺達は学校の中を見回った。部室を私物化していないか、体育館の使用日を守っているかなど確認していった。


「生徒会ってやる事が多いから大変だよなー。時々力仕事もあるけど、今まではどうしてたんですか?」


今なら脳筋の俺がいるから平気だろうけど、今までは女子だけだったしどうしていたのか気になったから中谷先輩に聞いてみた。


「私達だけだと難しいから事前に時間のある人に協力をお願いしていたわね。」


「なるほど。」


「にははー。麻美先輩は美人だから、いつも必要人数を上回っちゃってさー。」


……中谷先輩は黒髪を腰付近まで伸ばしていてスタイルも抜群だから黒髪美人って言葉が似合う人だもんなぁ。


そんな先輩と接点を持つために男子達は頑張るわけか……。


「……男ってイヤらしい。猛は違うよね?」


美玖が不安そうに聞いてきた。


「俺が生徒会に入ったのは大好きな美玖がいるからだよ。中谷先輩も綺麗だけど、美玖の可愛さと美しさには敵わないよ。俺は美玖一筋だから。」


俺は美玖の頭を撫でながら言った。


「うん。私も猛一筋だよ。というよりも猛だけしか愛せない身体と心にされちゃったもん❤️私の身体と心は猛の愛でしか満足出来ないから。」


美玖は俺の腕に抱きつきながら言った。

その言葉嬉しすぎるけど、ムラムラしてきちゃうだろ!?


俺と美玖を呆れた顔をしながら見る中谷先輩と「美玖ちゃん良いなぁ〜。私も頑張って良い彼氏見つけないと!!」と張り切る坂井さんがいた。

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