第4話 三人での就寝
「??」
つい二人のことを呆然と見てしてしまった。すると、二人とも少し顔を赤くしながらこちらに近寄ってきて、ルーナとクロエが顔を見合わせた後
「「今日、一緒に寝てもいい?」」
「え......」
また一緒に寝るって。流石にそれは......。前回は、スタンピードが終わった直後だったことやロンドと仲直りしたことから、お互いが精神的に不安だと思ったからこそ了承した。
だけど、今回はそう言うわけでもない。強いて言えば、この家に不安材料があることだが、やばいと思った部屋で寝ているわけでもなし、ルーナとクロエに至っては食事の時、一緒に寝ると言っていたはずだ。
(なのになんで俺の部屋に?)
俺がそう思いながら、二人のことを見ているとルーナが
「メイソンが驚くのもわかるけど、やっぱりクーちゃんと話して、初日は何があるかわからないから三人で一緒に寝た方がいいかなって思って......。ね? クーちゃん」
「ええ。メイソンは一人で寝るのだからもしかしたら危ない状況に陥る可能性もあるし、それは私たちにも言えることだから」
「でも流石に......」
そう。すでにルーナと俺の間で婚約者にならないかって話が出ているけど、ルーナもクロエも一国の王女。そんな人材と一緒に寝るというのは......。それに、前一緒に寝た時はまだワーズさんが屋敷にいた。だけど今は......。
「前も一緒に寝たじゃない!!」
「そうよ」
「......」
心の準備が......。一回経験したからって、なれるわけではない。すると首を傾げながら、少し暗い顔をしてルーナが尋ねてくる。
「私たちと寝るのがそんなに嫌?」
「ち、違う! だけどさ、お互いね?」
お互い立場もあるし、それ以外にも......。
「大丈夫だよ。それは多分クーちゃんも同じ......」
なぜかルーナは顔を赤くしながらクロエと俺の事をチラチラと見て来た。
「私も大丈夫。だからね? お願い」
「......。わかった」
「や、やった~。また一緒に寝れるね!!」
「えぇ!!」
(はぁ~)
て言うか、ルーナもクロエも言い方に語弊が生まれるから、何度も一緒に寝るって言わないでほしいなぁ。俺とルーナやクロエに男女の関係は無いんだからさ!! もしそんな関係だったらとっくに結婚だってしているさ!!
「じゃあ、俺は床で寝るから二人はベットを使ってもいいよ」
前回一緒のベットで寝た時はあまり睡眠が取れなかったから、今回は同じ部屋でも寝る場所は変えようと思った。だが、俺の言葉を聞いたルーナとクロエはなぜかしかめっ面になりながら
「一緒に寝なくちゃ意味がないじゃない!!」
「そうよ」
「いや、でもお互い危険を察知したら助けられる距離を保てればいいかなと」
(それ以外にも俺の理性を保つ意味もあるけど)
前回一緒に寝た時もそうだが、二人はもっと自分の魅力に気づいた方がいい。顔は可愛いし胸はでかいしスタイルは良い。それ以外にも横で無防備に寝ている美女に何もしない俺の身にもなってほしい。
「それじゃ意味がないじゃない!! お互い瞬時に助けられる距離が必要なの!!」
「ルーちゃんの言う通りよ!! 私とルーちゃんだけが近い距離で寝ていても意味がないじゃない!!」
「でも......」
(ちょっとは俺のことも......)
そう思ったが、それはすぐに否定される。
「「でもじゃない!!」」
「はい......」
「「よろしい」」
すると、ルーナとクロエに手を引かれながらベットに連れていかれ、布団の中に入ると
「これでまた一緒に寝れるね」
「えぇ。パーティメンバーなんだから一緒に寝るのなんて当たり前だよね?」
「いや、当たり前では無い思うけど」
「ん? 聞こえなかったなぁ~? 当たり前だよね?」
「あ、当たり前です」
クロエ、ここ最近少し押しが強いって言うか......。
「じゃあ寝よっか!!」
「えぇ」
「うん」
そして、電気を消して就寝をしようとした時、両手にルーナとクロエが抱き着いてくる。
(だから......)
少しは俺の事も考えてほしい。そりゃあ二人にくっつかれるのは嬉しいに決まっている。だけど、夜でベットの中っていう時点で理性を保つのが大変なんだよ......。
だが、二人のことを見ると、なぜが満面の笑みでこちらを見てきながら目をつぶったため、先程まで考えていたことが頭から徐々に無くなって行きながら俺も就寝をした。
★
「ガタガタ」
「??」
「ガタガタガタガタ」
「??」
何かの物音で目を覚ます。すぐさまルーナとクロエのことを見るが、二人ともまだ寝ているようであった。
(よかった......)
二人が無事であることを確認して、一旦ホッとする。だが、何の音なんだ? そう思いながら、耳を澄ませる。すると、あそこの部屋の方向から
「ガタン!!」
と何かものが落ちる音がした。それと同時にルーナとクロエも目を覚ます。
「え?」
「なんの音なのかしら?」
「わからない」
そう思いながら、俺がベットから出ようとした時、また音が聞こえた。
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