第19話 二人との夜


 突然のことで少し驚きながらも、ベットの上で首を傾げながら


「どうしたんだ?」


 すると二人は俺の隣に座ってきて、不安そうな表情をしながらルーナが


「本当によかったの?」

「何が?」

「勇者からの誘いを断っちゃったから......」

「別にいいんだよ」


 ロンドの誘いを断ったことに対して、微塵も後悔はなかった。そりゃあ、ロンドのおかげで俺があるし恩は感じでいる。だけど、追放されてから立ち直れるまで一緒に居てくれたのはルーナやクロエだったし、二人と決めた目標を成し遂げたいから。


「でも、勇者と一緒に行っていればメイソンは......」

「そんなことルーナやクロエは気にしなくていいんだよ。それに俺が決めたことだし」


 ルーナが言う通り、ロンドと一緒に行っていたら、今の目標以上の栄光を得られたかもしれない。でも、それじゃ意味ないんだ。栄光が欲しいから英雄になりたいんじゃない。二人と一緒に英雄になりたいからなるんだ。ロンドと一緒になっても目標の意味がない。


 すると、クロエは


「そっか、じゃあこれからも一緒に居てくれるってこと?」

「あぁ。困っている人を助けたり、冒険をしていろいろな景色を見ようよ」

「うん! じゃあこれからも宜しくね? 他の人たちとパーティを組むなんてダメだよ?」

「もちろんだよ」


 今後、このメンツにパーティメンバーが増える可能性はあるかもしれない。でも、ルーナやクロエと一緒に冒険しないなんて考えられない。


「だったらさ、今日はみんなで一緒に寝ない?」

「え?」


(なんでそうなる!?)


 一緒に寝るって......。流石にまずいだろ。すると、ルーナは上目遣いをしてきながら


「だってこれからもずっと一緒に冒険する仲間なんだよ? だったらお互い不安じゃないじゃない」

「......。だけど」


 それとこれとは話が違うだろ......。だが、ルーナはボソッと何かを言いながらベットの中に入り、それに続くようにクロエも中に入った。


「早く!」

「メイソンも一緒に寝よ」

「あ、はい......」


 二人の顔を見たら断れず、結局一緒のベットに入った。


「じゃあお休み!」

「おやすみ」

「あ、あぁ」


 そしてすぐ二人とも寝てしまった。


(なんで寝れるんだ......)


 両隣からいい匂いしかしないし、寝れるわけないだろ......。ふと二人の寝顔を見る。


(なんでなんだろうな)


 二人とも誰が見たって可愛いと言うだろう。それなのになんで俺なんかについてきてくれているんだろう......。でも、何かしら理由はあるのだと思う。だからこそ俺もそれに答えたい。そう思いながらも俺も目を瞑った。



 翌朝、目に隈を作りながら起き上がる。


(全然寝れなかった......)


 いや、寝れるわけないでしょ。逆に何もしなかった俺を褒めてほしいわ! 


(それにしても可愛いな)


 少し眺めていると、ルーナと目が合う。すると、顔を真っ赤にしながら布団にうずくまってしまった。


「おはよぅ......」

「おはよ」

「......。バカ」

「え......」


 なぜ目が合っただけで罵倒されなくちゃいけないんだよ......。その後、お互い何とも言えない空気になった時、クロエも目を覚まして一緒に朝食を取る。


 そして、ルッツを含めた四人で王室に向かった。

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