Ⅶ 出逢うべくして
「サキュバス...」
サキュバスというのは、男を誘惑し、精力を啜りとる女の悪魔のことである。
ということは知っているが。
彼女が?
サキュバス?
「...すみません。変なこと言って。気持ち悪いですよね。こんな時間ですしお暇いたします...」
そう言って立ち去ろうとする彼女を引き止める。
「待ってください」
ずっと探していた。
苦しみを分かち合える人を。
もしかしたら、私達は出逢うべくして出逢ったのかもしれない。
きっとこんな出逢いは二度とない。
だから。
「私も...人ならざるものだと言ったら...笑いますか?」
私も勇気を出す。
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