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朝日と鳥の声でサオは目が覚めた。


あれから何日も夜を越した。あの後、たくさんの復興作業を要した。今まで経験したことの無い規模の災害だったため、復興の仕方もままならない。


その中で、ある立ち話を耳にした。


「過去の記録にもこのような災害が記載されているようだ。今からちょうど、1千年ほど前…」


「そんな前の記録残ってるものか」


「前に見たことがある。文字ではなく、絵だった。おどろおどろしくてすぐに目をそらしたが、覚えているのは街だけじゃなく国全体が被害にあったということだ。我々の耳には入らないが、もしかしたら危ないのはここだけではないのかもしれない。」


「1千年の間隔でこの規模のものが起こるなら、記録を残しておかねばな。未来のために…」


サオは立ち止まった。


「未来にも、このようなことが起きるかもしれないんですか?」


「いやあ、詳しいことは分からんが…記録に残されているものを見る限りはそういうことなんだろう」


「未来にも…」


命からがら生き抜いたことは出来たが、いまだに体の節々が傷む。あれから町の人口は半数に減少した。あの夜のせいだ。


「未来にも…1千年後にも同じことが起きたら…」


誰もが先を案じ、町が暗い。


「あの子は…もし1千年後があの子の未来なら…僕は何をすべきなのだろうか…もし夢で見た時代が1千年後なら、あるいはその前後なら何かしらの影響が彼女の人生に起こるはずだ。さっきの男が話していたように何かしらの形で警告は出来るはずだ。」


サオは帰路に着き、再び夢で見た女の絵を描いた。



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