第5.5話 想い

私はマフィアに追われる立場になった。当然だ。十数人も構成員を殺したのだから。

私はもういない親友と住んでいた家に戻った。それから親友の、叶の遺体を少しでも見晴らしの良い場所に埋葬してあげたかったため、遺体を抱えて外にでた。それから何もないが綺麗で静かな丘に埋葬した。大量に人を殺しておいてなんだが、罪悪感はあった。丘の上から灰色の街と言われる都心の下に位置する貧民街が見えた。露骨なまでの格差社会が広がったのは日本にマフィアが蔓延るようになってからだ。

...私はふと考えた。馬鹿で愚かな考えだ。親友と2人で暮らしていたとき、孤児だったころたくさんの人に助けてもらった分いっぱい人を助けるために生きようと誓い合った。今の私にはまっすぐに生きて正しく人を助ける資格なんてない。でも、命を賭してマフィアを壊滅させることが出来たら、私はほんの少し誇って親友の元へと逝けるのではないだろうか。幼少の頃から思い立ったら行動に移すタイプだった。

私はマフィアから隠れるのをやめ、力を啓示し、マフィアへと入ることを決めた。

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