第2話 此処は何処?
神様の名前を聞くのを忘れたし、行き先も知らない。
てか此処は何という所なんだよ、神様!
取り敢えず見えるのは目の前の森、振り向けば・あ・な・た・ってギャグってる場合か。
俺の名前は高塚祐也、享年25才・・・だな。身元確認よし!
魔法は思い通りに使えるって言ってたので、土魔法でドームを作ろうっと。
ほほう・・・簡単じゃねぇの、此処をキャンプ地と定める(キリッ)なんちゃって。
うん決まったね。
あーっと入口が無い、入口をイメージしていなかったよ。
中に入れば、此処は天国安全地帯。
どうも服の肌触りが悪いと思ったら、ズボンをベルトじゃなくて紐で結んでいるよ、未開地だなぁ。
鞄ってよりズック製の大きめなメッセンジャーバックの中に・・・、神様有り難う。
いきなり食料調達って、ラノベのお約束で主人公の危機が訪れれるんだよな。
パンとコップにナイフ・・・バター位付けてよー神様。
パンが三個って、しみったれ! さっきの有り難うを返せ!
薄い小冊子の表紙に〔異世界の案内〕これこれ、これが無くっちゃー生きてはいけない、マジでね。
えーと、儂の世界にようこそ。
挨拶より、この世界の名前を教えろよ!
俺って気楽な性分だけど、俺以上に気楽な奴には呆れるわ。
あれで神様だぞ、神様っておれでもなれそう。
何々お前を降ろした場所は比較的安全だが、人家からは少し離れているので魔法の練習がてら東に進むと良いぞ。
東に行けばそこそこ大きな街にたどりつけるからな。
少しだが生活費を入れておく。
では気楽に達者で暮らせ、さらば。
しょうさっし、ねぇわ!
紙を半分に折っただけだろうが!
達者で暮らせだー、又麻雀でボロ負けしろ!!!
後は鍋にフライパンと食器にナイフ、スプーンとフォーク、替えの下着に革袋、生活費ってこれか・・・金貨はあるかいな♪
見るからに錆びた貨幣、鉄製と銅貨に銀貨だけで金貨は無しか。
鉄貨と銅貨が各20枚銀貨が5枚ねぇ、どう考えても生活費には無理だな。
取り敢えず使える魔法を全て試してから今後の事を考えるか。
土魔法は良しとして、先ずは生活魔法だよなコップコップとラノベではウォーターだよな。
冷てぇなぁー、コップの中に頼むよコップの中に、ウォーターと良しよし。
取り敢えずマジックバックなら革の袋だよな、まぁマジックポーチな感じではあるが作ってみよう。
エーッとマジックポーチマジックポーチ、エイッ・・・と入れてみようっと金貨をじゃなくて銀貨をポイッと銅貨をポイッと、うん、入って当然だな袋だもの。
振っても音がしないし軽いので出来てる様だな。
序でにメッセンジャーバックの仕切りの片方もマジックバックにしておこうエイッと、中へコップをポイッとよしよし簡単じゃねぇか。
治癒魔法を試すのは、怪我が前提なので後回しにして雷撃魔法か〈天駆ける雷神様に願い、怒りの一撃をそなたの頭上に落とさん〉・・・恥ずかしいねぇ。
雷撃! 〈ドォーン〉って凄いねー、狙いを付けずに落としたら目の前に落ちたよ。
ドームに入ってて良かったぁー、いきなり治癒魔法の練習になるところだったよ。
川向こうの岩に雷撃! 〈パリパリパリッドーン〉って命中。
うんうん魔法は余裕で使えるな、これなら食料調達に森の中に入っても死ぬ心配は無い・・・かな。
防御結界は襲われなきゃ試せないので、危険察知の能力に期待だ。
ビビっと来たら先ずドームに避難して、相手を観察鑑定とな。
動物の解体なんてしたことが無いので、果実か葉物根菜、特に芋類を探す事にしよう。
先ず音がしない様に食器やフライパン等全てマジックバッグに入れ、空のメッセンジャーバックもマジックポーチの中に入れる。
これで手ぶらのまま歩けるし、収穫物はメッセンジャーバックに入れてからマジックポーチ入れる。
おっとっとぅー、ナイフは腰に付けておくのが基本中の基本だった。
恐々森の中に入って行ったが、直ぐに失敗に気づいて引き返す。
ドームの中に転移魔方陣を作っていざ森へ、周囲を観察してめぼしそうな物を鑑定して行く。
茸や落ちている木の実を拾い、メッセンジャーバックに放り込む。
鑑定で食用と判るが、味の保障が無いのが残念。
適当に歩いて見たが、今のところ気配察知に危険な感じはない。
果実を探すが見つからないので、少々早いが薪を拾ってから帰る事にする。
足元に転移魔方陣を設置してと、転移!
貰って良かった転移魔方陣設置能力、明日はさっきの所から周囲の探検だ。
土魔法でストーブを造り、土魔法で作った大振りな鍋に茸を入れて炒める、調味料は塩だけ。
パンを半分にして茸を挟んで食べ水で流し込むが、塩が少ないので早めに街に向かわないと不味い事になりそうだ。
人間塩が無いと長くは持たないって聞くからな。
紙には東に向かえとあったので、周囲の探索は止めて東に向かい、寝るときには此処に戻って寝れば安全だ。
翌朝日の出と共に昨日の魔方陣に転移し、不要な魔方陣を消してから東に向かって歩き始めた。
気配察知に注意を払いながら、周囲の物を鑑定して食料を探す。
花や葉が薬草と鑑定に出たら収穫だ。
茎が太く葉の大きい物に根菜が割と有った、掘るのは土魔法で掘るので苦労は無し。
時々読んだラノベでは、土魔法は攻撃魔法の下位の様に扱われている物が多かったが、生活から防御に攻撃と役立つ魔法だと思う。
人より抜きん出た魔力を貰ったので、尚更そう思う。
ゾワリとした感覚に身体中の毛が逆立ち、急いで周囲をドームで囲い地面に固定してから覗き穴を開けて周辺を観察する。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます