第29話 Nマシンと反重力の関係?

Nマシン、単極誘導モーター、などの呼び方がありますが、ファラデーが発見したという不思議な電磁気現象です。モーターなので、発電機にもなるのですが、電圧が0.2V程度なのに、流れる電流は数十Aにもなったりするというシロモノです。


ジャイロのことを調べていて、Nマシンを思い出しました。


以前の話回「反重力とジャイロ」でお話しましたが、”反重力下では、遠心力の反作用である向心力が働く”のではないか、という仮説を提唱しました。


逆の考え方として、「回転体で遠心力の反作用である向心力が働く状況では、反重力が発生しているのではないか」と、言えるのではないでしょうか。


アインシュタインが重力を考えるのに、加速度を使ったように、同じ状況が発現しているのであれば、等価であるとみなすことも可能かもしれません。


Nマシンの場合を考えてみます。Nマシンは、金属円盤にドーナッツ型磁石を貼り付けて回転させると、中心軸と円盤周囲の間に電位差(電流が流れる)ができるというものです。


フレミングの左手の法則によって、磁界中に電流を流すと、ある方向に力が働きます。この場合、金属円盤を磁界が透過しており、円盤を回転することで、円盤内の電子が動く=電流が流れると同等の意味になり、円周方向に力が働きます。(磁界の向きを逆にすると、中心方向へ力が働く)


何に対して力が働くのかというと、もちろん電子になります。回転により、実質円周方向へ電流が流れている状態(電子は動いていないが。)で、フレミング左手の法則で、外周(or中心軸)へ移動します。


電子の動く向きを中心軸方向になるよう磁界の向きを調整すると、まさに、回転により向心力が働いて電子が中心に向かって動く、という状態になります。(中心軸がマイナス、外周がプラス)


つまり、(擬似的な)反重力状況が発生している可能性があります。


ちなみに、Nマシンでは、磁石は金属円盤と一緒に回っても、磁石を固定して金属円盤だけ回っても、いずれでも発現します。


ただし、金属円盤を固定して磁石を回しても発現しません。これは、前述しましたが、金属円盤の回転=電流が流れるという事実が必要ということです。磁石が回転しても固定しても同じなのは、こちらは磁力線が金属円盤を透過する事実が必要だからです。


金属円盤と磁石を一緒に回した場合、磁力線が横切るときの抵抗が発生しない点が、不思議な現象と言われています。


これは、実際に実験してみるしかないですね。でも、デカイサイズのトーラス型ネオジム磁石は、なかなかない上に、結構な値段がするのです。

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