第2話 反重力の性質

 重力の場合、加速膨張に反発して、収縮する力が働く、ということを前章で話しました。ということは、反重力では、重量の反対=減速縮退に反発して、拡張する力が働く、ということが推測できます。


ところで、話は変わりますが、「反重力」と聞いて思い浮かぶのは、おそらく大半の人が「モノが軽くなる」「重さがなくなる」「宙に浮く」などのことではないでしょうか。実は、これらのイメージは、SF作家が設定したことで、明確な理論に裏付けされたことではありません。


一つ例を掲げましょう。「ハチソン効果」って聞いたことがあるでしょうか。発明家ジョン・ハチソンが撮影した、様々な超常現象のことを言います。その映像には、物体が宙に浮いたりする場面が映っているほか、机が透けたようになったとか、鉄柱が引きちぎられたようになったり、スプーンがアルミと合体したり、外の納屋から釘が飛んできた(テレポート?)りと、いろいろな現象が発生しました。

動画はYOUTUBEにも上がっていますので、ぜひ、検索して見てください。


このハチソン効果は、必然的にトリックだ、と批判する人もいます。しかし、私はこの動画を見た後、これは本当のことでトリックではない直感しました。

もし、ジョン・ハチソンが偽の反重力をトリックで撮影して世の中をびっくりさせてやろうと考えたとします。そのときに、机が透き通ったり、鉄柱が引きちぎられたり、異種金属が溶け合ったり、というトリックをわざわざ撮影する必要があるのでしょうか?....ないと考えます。なぜならば、人々の認識では、反重力=モノの重さがなくなる=宙に浮く、という認識があるだけなので、それ以外のことをトリックであろうとも、撮影する必然性がないからです。そんな映像を見ても誰も反重力だ!驚きません。物体が宙に浮くだけで十分です。


ということは、ジョン・ハチソンが撮影したのはいったい何なんでしょうか??

...私は、本物の反重力現象を撮影したのだと断定しております。

本物だからこそ、物体が宙に浮くという本来の性質以外の現象も撮影、発現したのです。

その後、何者かに実験装置が破壊され、二度と再現することは叶わなくなりましたのが、大変残念です。


ジョン・ハチソンの実験は、テスラ・コイルとバンデグラフ発電機を使ったものでした。超高電圧を用いて、放電現象を起こすことにより、反重力を発生していたものと思われます。


放電現象を考察してみますと、電極が徐々に変形したり、空気中の不純物や気温、湿度、気圧など、いろいろな影響があり、刻一刻と変化していくため、なかなか安定させるのが大変だろうと推測します。別の写真でジョン・ハチソンがパイプタバコを加えているのを見たことがあります。ひょっとしたら、パイプタバコの煙に含まれる成分が放電特性に影響した可能性はあります。


いずれにせよ、同じ実験装置で再現してもしきれなかったことを鑑みると、装置以外の環境の影響もやはりあったのではないかと思うばかりです。


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