第5話 UFO
「はぁ〜……まったく」
長いため息から始まった。
怪異とやらに興味はあるのだが、得体の知れないものに関わる勇気は無かった。
それも仕方ない、
しかし
「俺の安全のためって、どういう事だ?」
考えながら歩いていると、空から
光から目を
するとそこには、UFOの様な物が浮いていた。
目の前の物体に言葉も出ず、その場に立ち尽くしていた。
さらに光は強くなり、目で見る事が出来ないほどになった。
しばらくして、光が弱まった。
ゆっくりと目を開け、周りを見る。
「……どこだここ」
そこは
目の前に扉らしき物を見つけたが、何をしても開かない。
「
必死に考えるが、突然の出来事に頭が回らず、何も思いつかなかった。
すると背後から、何か大きなものが落ちる音がした。
振り返ると、ホルスタインの牛がそこに寝そべっていた。
「牛?」
「っつ!あ〜〜!痛えなちくしょう!」
牛が
「は!?は…え?」
さらに牛は、その場から立ち上がった。
「ん?なんだよ、お前も捕まってたのか」
自分を知る牛に、
牛の顔を見ると、それは紛れもなく
「なっ!?お前、なんだその格好!」
本物の牛と間違えるほどのクオリティのぬいぐるみに、それを着ている静に、正幸は驚いた。
同時に、知り合いに会えてほっとしていた。
「UFOをおびき寄せる罠だよ」
「罠?」
「UFOは家畜を
「そんなの知るか!!」
今の声に反応したのか、大きな足音が聞こえてきた。何者かが向かって来ている。
部屋の扉が開いて、
「うるせぇぞ!黙ってろ!」
そいつは三つ目で、肌の色は青白かった。
明らかに人間ではなかった。
「お、おい!まさかこいつって、宇宙人…?」
「そりゃ、UFOに乗ってるからな」
「やべぇぇ!!」
「うるせえって言ってるだろ!!っていうか…人間は一人しか捕まえてねぇはずなんだが…」
牛の変装は宇宙人にも見破れなかったようだ。
「今だ!
「うおおおい!!何やってんだ!!」
「見たか、私のドロップキック!」
「てめぇ、これでもくらえ!」
銃の様な物を取り出し、
銃の先からビームが発せられ、
「し…静ーー!!」
「ふぅ…危なかった。やるな、私の髪をアフロにするとは…」
大した傷は無く、髪がアフロになっただけだった。
「な…なんだとぉ!?もう一発!」
再び電撃をくらった。
「やるじゃねぇか、眉毛がアフロになっちまったぜ」
「くそっ!もう一発!」
「まつげがアフロになっちまった」
「ええい!もう一発…!」
「もういいわ!!」
長いやり取りに、正幸が
今の一撃で宇宙人は気絶した。
「お〜!さすがは私が見込んだツッコミ役。ナイスツッコミ!」
「ツッコミ役ってそういうこと!?」
「私も負けてられねぇ!このまま、宇宙人のボスをぶっ飛ばしてやるぜ!!」
宇宙人だらけのUFOから、二人は脱出を目指す。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます