孤立無援 (RD)

春嵐

孤立無援

 ただ、ひたすら走る。ひとり。掩護はない。


『またそっち行ったぞ』


 敵の通信。傍受している。


『しぶといな』


 まあね。このために耐えてきたし。


『ホットストラテジーのほうはどうなってる?』


『わからん』


 ホットストラテジーのほうは、たぶんこっちが押しまくっている。優勢のはず。


『まあホットストラテジーはこの指揮官さえ倒せば止まるし、早く倒してしまおう』


『そうだな』


「そうはいくか」


 逃げる。隠れて、やりすごして、走る。そしてときどき撃つ。


『変だな。掩護が来ない。この指揮官倒れたら終わりだろうに』


 やっと気づいたか。

 そう。

 私は孤立無援。助けは呼んでいない。使える戦力はすべてホットストラテジーに送り込んだ。私は囮。


「おりゃ」


 逆に攻めに行く。相手が違和感に気付いてしまった。なるべくここに引き留めて、私の犠牲と引き換えにホットストラテジーを制するんだ。

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孤立無援 (RD) 春嵐 @aiot3110

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