第3話 飼い始めて1年を振り返る
私は子どもの頃に犬を飼っていたものの、
当時は子どもだったこと、犬が人に対して穏やかな犬さんだったこともあり、しつけらしいことはまったくしたこともなければ、知識もありませんでした。
簡単に言えば初心者レベルで、夫に関しては初めての飼い犬でもあり。
この1年、我が家に迎えた仔犬に関して、家族の誰もが知識もないまま、しつけらしいことはほとんどしないまま1年を過ごしてきました。
共働きのため、朝晩の散歩は行く日もあれば行けない日もあったりしましたが、帰ってきたときは、それぞれ手の空いた時間はハウスから犬を出し、フリーで遊んだり、一緒にソファーでテレビを見たり。
子どもはお部屋で追いかけっこをしたりして、家族それぞれが犬に癒されながら過ごしていました。
我が家の飼育は小学生の子どもがいるため、安全確保の意味でも、完全フリーにはせずに
遊ぶときだけハウスから出す、それ以外は必ずハウスに入れる。
ということが唯一のルールでした。
それ以外は、甘噛み、歩くときに足にじゃれて噛み付く、家族に対してハウスから要求吠えをする、靴下など噛んでは困るものを噛んでしまうなどの行動に対し、ただ曖昧な態度で、言葉だけで痛い・いけない・ダメなど家族がバラバラの単語で叱っているつもりで接してきました。
その時だけその行動はやめても、一瞬やめるだけで、持続性はまったくありませんでした。
今思えば、「正しい叱り方」を知らなかったのです。
そんな中、夫や私、私の母とそれぞれ仔犬に噛まれてしまう事故が出てしまいました。
噛まれたときの状況は、共通して犬が誤飲したら困るものをうっかり口に入れてしまい、
それを取り返そうと手を近づけたときの出来事でした。
そのときは、口に入れたものを取り返すのだから、噛まれても仕方がなかったよね。
犬が飲み込んでしまわなくて良かった。
と噛まれた本人それぞれが共通して思った意見でした。
私は人生で初めて犬に噛まれたこともあり、
その一瞬の出来事で、飼い犬さんのことが怖い、と思うようになってしまいました。
それから1ヶ月くらいは、変な緊張感をもったまま、お世話をしていました。
もうすぐ1年経とうとする頃、犬さんがふとした瞬間に時々唸る事が増えてきました。
その唸り方は、遊んでいるときに興奮して唸っているものとは違い、明らかに威嚇の唸りです。
観察していると、どうやら眠いとき、一人でリラックスして休んでいたときに、人間のペースで構おうとしたとき、苦手な足拭きをするときなど、ある程度限定された状況のときに唸るということがわかってきました。
ちょうどその頃、初めからお世話になっているトリマーさんの所へ犬さんをお迎えに行った時、「軽くですが噛まれました。」と言われ、驚きとショック、トリマーさんに申し訳ない気持ちになりました。
そのトリマーさんは、「私は噛まれても最後までやりますし、本当に危険なレベルの時は口輪を使わせてもらいますから大丈夫です。」と言ったあと、早めに去勢手術をした方が、犬のために健康面、精神的にもよいと思います。
とアドバイスをもらいました。
このとき、初めて家族以外の人を噛んでしまったことで、あまり去勢手術に前向きでなかった私でしたが、去勢手術をしなければ!と思ったのでした。
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