偽カレカノ

斎藤浩司視点


その頃斎藤は携帯のRINE画面とにらめっこをしていた。


何故なら彼は加藤奈緒に告白をすることを決断したからだ、ただ。


「あいつら二人を何とかしないとな。」


城市と佐藤さんの仲が進展しないと彼女加藤さんも前に進まない気がしていた。


その時携帯が震えメッセの知らせが、ディスプレイには想い人の加藤奈緒の名前が表示された。。


慌てて開くと。


『こんにちは斎藤さん、今千鶴からメッセが来て、崎山さんが家に来ているんですって!』


文字だけでもわかる興奮ぶりだと分かる。俺も少し興奮気味に慌てて返信を打つ。


『こんにちは!城市が佐藤さんの家に訪問だって!!少しづつ進展しているんですね。』



『はい、ですがまだ距離はこの前とあまり変わらないそうです。』


(物理距離は、相変わらずか~………そうだ!)


『佐藤さん、ちょっとお願いが。』


『お願い?なんでしょう?』


『付き合いませんか?』


『………へ?!い!いきなりなんなんですか!!まだ私たちは…』


(案外まんざらではない?!だけどまずは…)


『偽ですよ。』


『………はい?』


『偽のカレカノを演じてあの2人にプレッシャーを掛けようかと。』


(これがきっかけで俺たちの距離も縮めたい。)


『………なるほど?』


『つまり、後から付き合った俺らの距離が近かったら、焦ると思う。』


『なるほど!!いい案ですね!』


『ってことでバレない様に一日練習をしたいと思います。』


(練習と本番で一気に距離を縮めて本当に付き合うぞ!)


『私の日当は1万と格安ですよ!』


『レンタル彼女ですか!!』


(いきなりぶっこんできたな~)


『ちなみに3食付けて下さるなら5千円と更に格安に!』


『バーゲンセールですか!!』


(一気に半額にw)


『冗談でちゅ。』


『かわいいけど!!』


(ちゅって!ちゅって!)


『ふふふ、斎藤さんと話していると楽しいのでつい悪乗りしてしまいました。』


『それだけ砕けてくれたって事でいいのかな?』


(マジか!なら本番後告るぞ!)


『ですね。』


『では、今度の休みにお付き合いお願いします。』


『はい、よろしくお願いします。』


これで失敗できなくなった斎藤は、もう一つあの2人の距離を縮める方法を考えるのであった。

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