紀藤さんと本屋の店員

崎山城市視点


「きさま!!我らが神である佐藤様を脅して付き合うなど言語道断!!!粛清してくれる!!!」


副委員長紀藤明美が訳の分からない事を叫んでいる、もちろん他の客は僕達をジロジロと見ている。


(僕が佐藤さんを脅して付き合う?!)


「脅すなんって!誤解だよ!」


「問答無用!!」


副委員長紀藤さんが手に持っているラノベ無所属転生をブンブンと振り僕を殴り始めた。


「イタタタタ!」「やめて!紀藤さん!」


「きぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」


副委員長紀藤さんが奇声を上げて僕をラノベで叩くのを止めない。


「ちょちょちょ!お客さん!暴力も困りますが、その商品はお金払ってないですよね!傷を付けてもらっては困ります!」


そこに店員が止めに入り、本が未払いだから本を傷付けないように言うが副委員長紀藤さんは殴るのを止めない。


僕の後ろの《背中》に隠れていた佐藤さんが僕の手を掴み走り出した、手を掴まれるため釣られて走り出す。


(初めて佐藤さんと手を握った、佐藤さんの手はモコモコでモフモフ……モコモコでモフモフ?!佐藤さん!いつの間に手袋を!!)


佐藤さんが手を繋いで本屋の棚の間を走り抜ける、副委員長はブンブンと手に持つ本を振っている、振っているので当然陳列している売り物の本に当たり、ドサドサと陳列していた本が床に落ちる。


そして佐藤さんは本屋から出て、ニコニコタウンの出口に向かう。


もちろん僕も手を繋がれているので出口に、それを追って副委員長も、そして本屋の店員も。


「クソガキ待ちやがれ!神と手を繋ぐとは恐れ多い!!めった刺しにしてやる!!」


(副委員長?!話し方がおっさんになっているよ!僕が・・繋いでいいる訳じゃぁないよね!それに本でめった刺しをする気?!できて撲殺だよね!!)


そして本屋の店員も。


「こらー!!そこの女!!!待ちやがれ!!!店内ボロボロにしやがって!!!弁償しろ!!!!!」


(この2人、めちゃ怖い!!)


ニコニコタウンの出口を僕たちは出た。引き続き副委員長も、そして本屋の店員も。


そこに警備員がやって来て副委員長を取り押さえた。


「放しやがれ!!聖戦を邪魔すんじゃねー!!」


(聖戦って!!それテロとかヤバい人が使う言葉だよ!)


「我は正義!正義は勝つ!!我の生涯には、一片の悔いがない!!!」


(本屋の店員さん!何か違う!!)


「とりあえず事務所に来てもらうよ。」


(そして警備員さん、本屋の店員さんも事務所に連れて行った方が!!)


本屋の店員は駐車場に向かって「ウォオオオオオオ!!」と叫んでいる。


(つ…疲れた。)


そしてフッと気が付く、今佐藤さんと手を繋いでいる事を。


「あ!」


っと言って手を離して3m離れる佐藤さん。そこで僕が。


「佐藤さん、手を繋いだ仲だし、もう少し距離を縮めれない?」


(言ってしまった!だけど付き合っているんだから、距離は縮めたいよね。)


「…………頑張ってみます。」


と言ってすり足で寄ってくる。


残り2.5m


「ここで許して。」


(真っ赤な顔の佐藤さんに許してと言われたら許しちゃう♡)


距離2.5mを維持し浩司と加藤さんの元に戻った。



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