崎山君と事情聴取

佐藤千鶴視点


何故?こんなことに?


今朝、やっとの思いで挨拶を返すことができた、あまりの嬉しさに涙目になってしまった、そしたら何故か崎山君が鬼畜扱いに!


「違うのよ、私が今まで返事を返さなかったのが悪いのよ。」


と言ったけど効果なし、何故みんな殺気立っているの?


一時間めの休憩時間に教室の廊下には人だかりの山が?!


(なになに?何が起きているの?)


しかも私の周りにもいつも以上に人が集まっている。


そこに学級委員と副委員長が崎山君の席に来て。


「昼休み、この事で少し話したい。」


「この席に居て下さいませ!」


(ふえ?何が起きているの?)


そして休み時間の度に増えていく人の山、友達からは『怖かったでしょ?大丈夫!私達が守ってあげるから。』と言うけど。


(…誰から誰を守るの?)


そして昼休み、事件が起きた。


「【バン!!】白状しなさい!あなたが何かをしたことは明白なんですから!!」


副委員長が崎山君の机を叩いて自白を促している。


「まあまあ副委員長、怖がらせたらダメじゃないか、崎山君、僕にだけ事情を教えてくれないか?」


学級委員長が崎山君の後ろで優しく問いかけている。


(うん、刑事ドラマとかでよくある自白を迫る場面です。)


私はと言うと、崎山君の隣の席から離され教室の隅掃除道具入れの前に、ちなみに廊下に集まった人達は、集まりすぎて教室の中に入って来ている、そのおかげで教室の中はすし詰め状態に。


「僕は何もしてないよ!!浩司何とか言ってくれ!」


と、崎山君は斎藤君に助けを求めるが、斎藤君は必死に笑いをこらえているのか、崎山君から目を逸らして肩がピクピクと動いている。


「崎山君は何もしていないと思いますよ。」


と、私が言っても『千鶴は優しいね、あんなクズ男に情けは無用よ。』と、友達が返してくるだけ。


「あなたが佐藤さんに嫌われて挨拶も返してくれない事は周知の事実です!それが今日に限って返したのは何か理由が有るはず!弱みを濁り脅したでしょ?それとも催眠?さっさと白状しなさい!!」


副委員長が更に攻め立てる。


(え!私が崎山君に挨拶を返したことが原因?!)


「あ、あの…………」


「君~我々も暇ではないんだよ、我ら佐藤千鶴ファンクラブ、もとい宗教団体佐藤千鶴見守り隊、教祖のこの私と準教祖の副委員長が特別に調べているんだ、白状して事実を認めなさい。」


「ちょっと待て!!ファンクラブは知ってたけど、何時の間に宗教団体になった!!」


驚愕の事実に驚く崎山君だった。

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