佐藤さんと高枝切りバサミ
崎山城市視点
僕はとてもウキウキしている、人生初めての初デート、しかも相手は佐藤千鶴さん。
待ち合わせ2時間前の8時に○○駅前へとやって来た。
「2時間前は早すぎた。」
何をして時間を潰そうか考えていると、駅のホームに電車が滑り込んできた。
そしてドアが開くと、見たことが有る人が。その人はホームから駅前にやって来てニコっと笑顔を向けてくれた。
「え!佐藤さん!」
待ち合わせ2時間前に佐藤さんが現れたのだ。
「お待たせしました。」
佐藤さんは、白いブラウスで透明感をさりげないレースが可愛らしさを、ライトブルーの細身デニムで爽やかに、ベージュのパンプスが優しく、右手の茶色のカバンが全体を引き締める。
そして左手には…
高枝切りバサミ。
「高枝切りバサミ!!」
「はい、高枝切りバサミです!」
僕は驚いて口をパクパク開ける、佐藤さんはニコっと笑顔に。
(その笑顔、マジ天使!それを全て壊している高枝切りバサミ…)
佐藤さんはウンショウンショと高枝切りバサミを伸ばすと刃先を僕の方に向けた。
「え~とですね、この高枝切りバサミの最大長さが3mでして、まずはこの高枝切りバサミの先端まで距離を縮められたらと思いまして。」
(佐藤さん、色々考えてくれたのか!)
考えてくれたことは嬉しかったが、腕をン~と伸ばしている、僕は高枝切りバサミの先端に触るべくゆっくりとすり足で近づく。
佐藤さんまでの距離4.5m佐藤さんの耳が赤くなり、4m頬を染める、3.5m顔が真っ赤に、3.4m頭から湯気が、3.3mプシュ―――――っと鼻息が、3.2m頭からの湯気が黙々と上がる、3.1m鼻息がシュ!シュ!シュ!と早くなる。
そして高枝切りバサミの刃先を触れると。
佐藤さんの鼻から鼻血が、ブ――――――!!
「作者!SL音ネタしたいんだったらルビで最後までしろよ!」
ビックと反応して手を引っ込めてつつツッコミを入れてしまったが、佐藤さんの鼻時の量が半端ない。
「さ、佐藤さん?大丈夫ですか?」
「だい‶じょぼでず」
一旦高枝切りバサミを下ろしてテッシュでチーンとした後、再度高枝切りバサミを持ち上げ。
「ワンモア。」
再挑戦を要求してきた。
僕は再度高枝切りバサミに触れると。
【ジョキン!】
っと高枝切りバサミの刃が開閉した。
「危ない!」
「あ!ごめんなさい!!」
僕は冷や汗を流しながらもう一度高枝切りバサミの刃先に触れる。
今度は刃が開閉することが無かった。
「し、新記録だね。」
高枝切りバサミの刃先が目の前にあるのはちょっと怖いけど、僕は、佐藤さんと向き合ってのこの距離は初めてで嬉しかった。
そこに黒いロールスロイスが駅前の僕たちの前に。
♦
あとがき
作者の都合により16日17日は更新できるか不明です。
時間ができれば書いてあげたいと思っております。
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