佐藤さんはポンコツ?

崎山城市視点


佐藤さんが「き、きゃ―――――――!」っと悲鳴を上げつつ、キュ!と音がすると同時に頭を振り出すのが浩司の背中越しに見える。


浩司が「こ!これデンプ…」と声が聞こえたと同時にスパ――――――ンと良い音がした。


そこからどんどん回転が速くなると同時にスパ―ンと音も早くなり最後に一呼吸後にスパ――――――ンと良い音が鳴り佐藤さんの拳を高らかに掲げた。


「何時ボクシング作品になった?」


と、つい声が出た、ただある事に気が付いた。


「え?スリッパ?」


佐藤さんは手に青いスリッパを持っており、それで叩いたみたいだ。


「どこのお笑いだよ!」と、ついついツッコミを入れてしまった。


ちなみに校内は専用スリッパの決まりがあり、今年度は三年は青、二年は赤、一年は緑と決まっていて、一年ごとにズレる、来年度は三年は赤、二年は緑、一年は青と。


「お笑いでもこんなに叩かないよ!」


浩司がイタタと両頬をこすりながら文句を言っているが、両頬と顎が赤くなっていた。


「ぷっ!………」


僕はその顔に思わず吹き出したが、浩司に睨まれて笑いをこらえた。


「とりあえず何故距離を置くのか説明してくれ。」


浩司の問いに僕と佐藤さんが掻い摘んで話すと。


「話は分かったが、理解しがたいな。…まず城市、お前からだな、関係をはっきりさせないと。」


(確かに。)


僕はフンスと気合を入れる。


「う、うん、…………佐藤さん………僕と…付き合ってください。」


(とうとう言ったぞ!)


「……………………ごめんなさい?」


「「断った!!しかも疑問形だし!」」


僕と浩司は佐藤さんが断るとは思っていなかった。



「え!え!だって告白は101回目でOKする物でしょ?」


「「それプロポーズ!しかもドラマだし!!」」


「え!!違うの?!」」


「…………佐藤さんってポンコツ?」


「浩司!それ失礼だから!!」


「妹の千佳からよく言われる。」


佐藤さんは涙目になりながら、妹にポンコツ指定されている事を打ち明けた。


「ポンコツだな。」


「佐藤さんがポンコツ…………」


「私…ポンコツですか………」


3人でポンコツを連呼する…………なんだこれ!


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