手紙の内容
崎山城市視点
机に置かれた手紙を家に持ち帰り自分の部屋で正座をして開封した。
『拝啓 崎山状死様』
(だー!名前の漢字が!状死って何!!宛名も上士だったし!わざと間違てるよね!!)
『ご多忙の折、お変わりなくご健勝のことと存じ上げます、ついつい雑事にまぎれ、ご無沙汰を重ね申し訳ありません。』
(今日も隣の席で座ってたよね?僕って居ない扱いなの?)
『さて、この度お手紙を
(お礼?なんだろう?)
『あれは高校1年の春が終わり、
(あ~あの時の女の子が佐藤さんだったのか!顔をろくに見ないでその場を離れたからな~…………てか!名前の漢字!!今度は合ってるよ!前の2つは嫌がらせ?!お礼の手紙に嫌がらせって!…………ふざけているの?やっぱり嫌われているのかな~?)
『本来なら口頭でお礼を言わなければいけないのですが、言えないままズルズルと時間だけが経ち、言い辛くなってしまいましたので…なにせ私はコミュ症ですから…ですから手紙に認めさせていただきました。』
(お礼なんって良いのに、ってか!コミュ症って!僕以外の人とは普通にしゃべっているよね!!ホントこの嫌がらせが無ければ…)
『本当にあの時は助けていただき、ありがとうございました。』
(お礼を言いたい気持ちだけは通じたよ…お礼だけね…)
『本来なら粗品も用意すべきところですが、流石にお小遣いでエルメスのティーカップは手が出せませんでしたので、お許しください。』
(
『出来ましたら、これから良きお友達になっていただければ幸いです。』
(……僕は友達以上になりたいけど…)
『最後となりますが、体調など崩されぬようお身体にはお気お付け下さいませ。 敬具』
『PS、恥ずかしかったので、ふざけて書きました、お礼は本当だけど。』
「わざとか~~い!!」
『この手紙のお返事、お待ちしております。 佐藤千鶴』
佐藤さんの手紙を読み終わり、疲れ果てる崎山君。
「……この手紙に返事を書きゃダメなの?」
その日の夜、崎山君は手紙の返事を書くのに大変苦労した。
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