第2話 alter guide

カランカラン〜♪

扉を開けてみると、そこはカフェみたいな所だった。

あれ?

確かにさっきの男の人はこのカフェに入っていったはずなのに、、。

店内を見渡す限り、さっきの男の人はどこにも見当たらなかった。

仕方なく、このカフェのマスターらしき人に聞いてみた。

「すいません、さっき黒いスーツの人が入ってきませんでしたか?これを落として行ったので、、」

僕はカバンから例のカプセルを取り出した。

するとカフェのマスターが少し驚いた顔をした後、

「こちらへどうぞ」と言って、部屋の奥の方へ案内してくれた。


「鐡なにやってんのよ!!!」

「ちゃんとカバンに入れてたんだって!!」

中にはさっきの男の人ともう1人知らない女の人がいた。

「柊ちゃん、鐡くんちょっと話があるんだけど。」

「オキミツさん、それよりも大変なんだって。鐡が反理の刃を落としたって、、、。その子誰??」

反理の刃?

なんだその厨二くさい名前。

「この子が持ってきてくれたんだよ。」

このマスターは沖さんというらしい。

「君、さっきのを出してくれるかな?」

「あ、はい!」

「これですよね」

自分のカバンからもう一度カプセルを取り出した。

「よかったー。鐵、次落としたらマジで許さないから。」

「は、はい…。」

「君本当にありがとう。名前は?俺は鐵 哲司」

「僕は、堺 慧斗と言います。」

「堺君ね。私は柊 琴羽、そしてこの人が沖 充希。皆はオキミツさんって呼んでる。」

カプセルを落としたのが三十代後半辺りの鐵さんで、それを怒っていたのが僕より2つ、3つ程年上の柊さん。そして五十台前半辺りのカフェのマスターがオキミツさん。

そういえば、ここは何の部屋なのだろう?カフェからこの部屋に連れてこられたのだが、控え室といった感じではなくもう一つ何か別のお店みたいな見た目をしている。

そういえば、

「反理の刃って何なんですか?」

「うーん」

あれ、聞いちゃいけない事だったのかな、、。

オキミツさんは少し考えた後、

「そうだな、君は手相占いって信じるかい?」

手相。

そういえば親父が好きだったな。

「まぁ多少は、、。」

「では私が占ってあげよう。堺君聞き手はどっち?」

「聞き手とか関係あるんですね。左手です!」

「成長するにつれて、手相って変わってくるんですよ。聞き手の反対の手相は元々の人生が描かれている。そして聞き手の手相は、生きていくにつれて、元々は聞き手の反対側と同じ手相だったところから、段々と変化して行くんです。

例えば、勉強を沢山している人はペンを握るでしょう?ずっとペンを握り続けているとペンの握り方に合わせてその場所にシワという名の線ができる。その線に勉強に関係した縁起のいい名前をつける。すると、手相を占われた人はほとんどの確率でそれが現実になる。そうして手相占いは残り続けてきた。」

意外と手相占いも馬鹿にできないらしい。

適当に言っているわけでも無さそうである。

「それで、どんな感じですか?」

「堺くん。 生命線がえらい短いけど、そろそろやばいんじゃないかな??」

!?

ちゃんと当てられた。

中々説得力のある話を聞かされて少し信じ始めていたが、これは本物だ。

「はい。先程病院で余命宣告を受けました。」

「本当かい!?」

「残り半年だそうです。」

話を聞いた3人は、アイコンタクトで軽く会話をした後オキミツさんから、

「さっき堺くんが持ってきてくれたカプセルの中身見せてあげよう。」

急に本題へ話を戻ったが、何か関係でもあるのだろうか?

色々な考えを頭に巡らせながら、僕はカプセルの中を覗き込んだ。













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