第18話 日本との交渉2



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     誤字は後ほど修正予定です。

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 ■ 日本国との交渉2

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 ▼ アルスタン王国 作戦室

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 陛下申し訳ございません。怒りに我を忘れ勝手なことをしてしまいました。

 ヴィリアは暴れた上に大使一行を傷つけ、あろうことか権限もないのに宣戦布告と思われるようなことまでしてしまっていた。

 

 「なに、お前はよくやったよ、俺がその場でマリアーナの姿を見たら皆殺しにいたいたよ、お前は大使と米国人を殺さなかっただけ冷静だ。外交を担当させたのは正解だったな。」

 

 『陛下……ありがとうございます。

 あのう、勝手にした宣戦布告の件はどうされます。』

 

 「2時間あたえたんだろう、来なかったらやるさ!お前が決めたことの責任は俺にある、とは言っても取り消すつもりはない。まぁ、10分や20分ぐらいなら待ってやるさ、俺は寛大だから。

 ところで拘束した二人はどうしてる・」

 

 〈はっ、取り敢えず応急処置をして地下牢に入れてあります。

 ん、そうだ、例の乗組員も牢に移しておけ……〉

 

 『はっ、陛下彼らもですか?』

 

 「当たり前だろう、マリアーナたちが粗雑に扱われたんだ、丁重に扱う義務はない、こちらは犯罪者だからもっと雑でも構わないさ。」

 はっ、いけないわ。つい元自国の人間だからって思いが先に走ってしまった。

 ナオトは強いお方だわ、私ももっとしっかりしなきゃ……

 

 「マリアーナ大丈夫かい?」

 〈はい、陛下、もう大丈夫でございます。〉

 

 「マリアーナ君をつないでいた男のところへ行くけど来るかい?」

 {ナオト、マリはさっきまで……}

 〈良いのお姉ちゃん、私行きます。〉

 

 「ロミアーナ、妹を心配するのはわかるが、自分でけりを付けなければ心に傷をのこすんだ。お前ならわかるだろう。」

 

 「マリアーナ行くよ。」

 〈はい、陛下~♡〉

 

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 ▼ 地下牢にて

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 おい!、なんでこんな所に入れるんだ。おい、出してくれ!!

 

 直人とマリアーナが地下牢へと降りていくとP3-Cの搭乗員が騒いでいた。

 「だまらせろ!」

 {はっ!!}

 看守が持っていた穂先のないやりで搭乗員、いや、囚人を突く。

 看守が数回小突くとおとなしくなった。

 「おい、数人応援を呼んでこい!」

 {はっ、かしこまりました。}

 

 『お、おい君!、君は日本人じゃないのか?』

 「残念だがちがうな……」

 あっ、日本語……

 日本語が出来るから日本人だとは限らないだろう。

 

 『……そ、そうだな。なぁ、君は私達が急にここに入れられたか知らないか?』

 どう見ても15,6歳の少年に見えるがかなり地位は高いようだ。外国語なまりがまったくない日本語を喋るって点では日本人の可能性が高いとは思うが……

 

 あぁ、知ってるよ、でも、知らないほうが良いと思うけど。

 

 いや、どんなことでも俺は受け止めたい。

 まあ、良いだろう

 

 その時、先程の看守が応援の近衛兵を数人連れてきた。

 〈陛下!、応援に来ました。ご命令を!!〉

 

 『き、君……へ、陛下って、君は国王なのか?』

 あちゃーバレちゃったよ。まあ仕方がないか、いずれバレることだ。

 直人は搭乗員の質問には答えずに無視した。

 

 「おい、こいつらの服は引き剥がせ!、あぁ、自分で脱いだほうが良いぞ!、うちの近衛兵は犯罪者に対する扱いが雑だからな……」

 

 {陛下、女性もやるのでありますか?}

 「脱がないのならやれ、俺は男女差別はしないんだ。」

 {はっ、了解しました。}

 

 き、君。ちょっとまってくれなんでこんな事をする、それも女性まで……

 

 まあ、知りたいって言ったから教えてやろう。

 俺たちの同胞が日本に拘束されていることが先程、わかった。

 そのうちの一人が日本語が喋れるって事で犬みたいに紐で引き回されてつれて来られた。通訳代わりとしてな……

 

 俺たちの同胞は日本の領海に侵入していないにも関わらず、交渉材料として拿捕され、拷問という尋問を受けていたよ。

 この子がそうだ。

 

 彼女は男の取調官に全裸にされて体中を調べられたそうだ、何も隠していないか丹念にな……彼女は処女だったんだ。

 この国では処女性は大事だ、もう、まともな嫁入り先はないだろう。働き先も娼館ぐらいしかないだろう。それにトイレでさえ男性の看守の見ている前でさせられてそうだ。

 

 犯罪者でもないのにここまでされたんだ、犯罪者のお前たちに遠慮する必要はないだろう。

 本来、我が国の法律では、領土に不法に入った軍人は裁判なしの処刑と決まっている。だが、自衛隊は専守防衛という縛りの中で頑張ってるって思ったから賓客待遇として扱ったがこのざまだ。

 

 恨むんなら国を恨むんだな。

 

 『ちょっ、ちょっとまってくれ

 日本は人権を守る国家だ、たとえ犯罪者でも人権は守られる、ましてや犯罪者でないものなら守られるのが当然のはずだ信じられない。』

 

 この子の裸を見たいのか、お前ロリコンか?

 この子は見ての通り獣人だ……お前の国の政府は人ならざるものには人権は適用されないと言ったそうだ。だから拷問しようがジュネーブ条約にもかからないとな。

 確認はしていないがこの子の仲間には指を潰されたり、肉が削げるほどムチで打たれてるそうだ。

 

 「おい看守!」

 {はっ!!}

 看守は棒を立てて直立不動になる。

 

 「彼女を徹底的に調べろ、どこに隠しているかもわからん、手で足りなければ棒を使え、遠慮することなんかないぞ!」

 

 (国がしたことは誤ります。ごめんなさい。

 私が誤って済むことではないけど、少しでも許してもらえるならどうか、殺して下さい。)

 副機長の吉武明日香は自分の国が恥ずかしかった。こんな少女を拷問するなんて酷すぎる、それを考えるとされても仕方ないけれど私には耐えられる自信がないわ、せめて殺してほしい。

 

 「だめだな!、看守やれ!」

 はっ!!

 

 《陛下、やめてーーーっ!!》

 ン、どうしたんだマリアーナ。

 《陛下、この人は私に何もしていない……だから酷いことしないであげて……》

 

 「でも、同じ国の人間だぞ!!」

 《私はされたくなかったよ、泣いて頼んだけど、笑うだけで許してもらえなかった。だけど、だけど、違う女性に酷いことをしようとは思わない。

 私はあの男が憎い……》

 

 「そ、そうか……看守、中止だ。」

 {はっ!!}

 そこにはホッとした表情の看守がいた。

 

 (ごめん、本当にごめんなさい。私の国の人間が酷いことをして本当にごめんなさい。

 私を許してくれてありがとう。あなたに感謝を捧げます。)

 

 《ちがうよ、そこは勘違いしないで。

 私は陛下がいるから許せるの?、もし陛下がいなかったら多分許せないと思う、だから感謝するなら陛下にして。》

 

 《陛下、このお姉さんは元の部屋に戻してあげて裸は可愛そうだよ。それとも愛妾にでもするつもりなの?》

 

 「コラッ、わかった、お前がそう言うなら良いだろう。」

 

 「看守、服を与えて部屋に戻してやれ。」

 

 「マリアーナ、こっちの男はどうだ?」

 搭乗員達の隣に先程つれられて来た二人が入っていた。

 

 《こっちの人は知らない?今朝、初めて見たよ。》

 「看守、腕のない男を出せ!」

 

 〈はぁ、いよいよ処刑か?〉

 男は恐怖のためか腕を切断した出血のせいで青いのかはわからなかったが、青白い顔をしてふらっと牢を出てきた。

 

 俺は男の腕を掴み、包帯を外した。

 〈おっ、おっ、おい、止めてくれ……切りたてなんだ、まだ、短くするつもりか……

 〉

 「うるさい、黙ってろ、でないと首を斬るぞ!」

 俺は手をかざす、無詠唱で回復魔法をかけた。

 

 切断されて傷口から骨がムクムクと伸びてきて、骨に筋肉がまとわりついていく、その後に神経が回虫のようにくねりながら筋肉の中を進んでいく、最後に皮がかぶっていって腕が再生された。

 生命の神秘というよりはただのグロテスクな絵面でしかなかった。

 

 それ見ていた男は【おう、おう、おおっう】と声にならない声を上げていく……

 

 「ほら、後は部屋で休んでろ、腕は戻っても血は戻っていない。」

 〈す、すまない、ありがとう、また、腕が戻ってくるとは思わなかったよ。本当にたすかった、ありがとうな……これって魔法なのか?〉

 すっげぇ~、切り落とされた腕がもどったよ。すっげぇなぁ~……もう完全に駄目だと思ったけど……良かったよ。利き手は息子にとっても長い友だちだからなぁ~

 

 

 「……そうだ。……」

 〈そっかぁ、すげぇんだな。〉

 

 「気にするな、落としたのはこっちだしな。」

  〈いや、銃を抜いたのは俺だ、銃を抜く時には覚悟はしている。出来てはいないけどな。何にしても助かったよ。〉

  

 「早く部屋へ行って寝ろ!!」

 〈おおぅ、そうさせてもらうよ。〉

 なんか、警官らしくない男だなぁ~ちょっと面白い……

 直人はなぜかこの男にシンパシーを感じた。

 

 「マリアーナこの男はどうだ。」

 《いやっ!!、この人、私に隙きをみていやらしいことした。私のしっぽ引っ張って何度もころばされた。》

 「そっか、わかった。」

 

 〈何やってるんだ、早く私も治療してここから出せ!〉

 「その必要はないよ。」

 〈ん、なぜだ?〉

 「あんたは処刑する。」

 

 〈お、俺は公安部の人間だぞ、そんな人間を処刑してただで済むと思ってるのか、日本に宣戦布告するようなもんだぞ!、わかったら早く治療して出せ!〉

 「心配いらないさ、既に日本には宣戦布告したから問題ない。

 あんたの処刑は決定だ。」

 

 『き、君!、本当にその人を処刑するつもりか?、もしその人が本当に政府の要人なら取り返しのつかないことになるよ。よく考え給え!』

 もしかすると、国王かも知れないが、やはり少年だ考えが短絡すぎる、政府の要人を殺されれば黙ってはいない多分……

 

 P-3Cの機長、相模1尉はいくら弱腰の日本と言えどもさすが政府要人を殺されて泣き寝入りしては国際社会にメンツが立たない全面戦争とまでは行かなくても重要施設の攻撃位はやるかもしれないと考えていた。

 

 実際のところ今の日本にはそんな余裕などはないのだが、相模1尉には拿捕以降の情報は入っていないのだ。

 

 「そんな心配は無用だよ。どっちみち後2時間すれば日本の対応次第では日本に対して戦闘行為を開始する。」

 

 『な、なんだってぇーーッ!!』

 

 ま、あなたはそこでゆっくり寛いでいてくれ。

 

 『あのう、私だけ部屋って言うのはさすがに気が引けますので機長たちも戻して頂けないでしょうか?』

 コパイの吉武3尉はさすがに自分だけは戻りにくいのか機長たちの待遇を具申してきた。

 

 「うーん、しかしなぁ。うちの仲間の待遇を考えるとなぁ、鞭で肉がそげるほど打たないだけ優しいと思うんだが。」

 

 『では、私もここに残ります。』

 

 マリ(マリアーナ)は俺に訴えかける様な目で見つめているのを見ると、マリには勝てないなと思う

 「いいだろう、お姉さんの裸も見せてもらったし、大事な観音様まで拝観させてもらったんだ。その拝観料って事で隊員は部屋に戻そう。」

 

 拝観料って言われて先ほどの事を思い出したのか真っ赤になって睨んでいる。

 うん、怒った顔もかわいいな。

 

 「衛兵!、そいつ以外は全員戻せ!!」

 はっ、仰せの通りに……

 

 〈ちょ、ちょっと待ってくれ……〉

 直人とマリアーナが退出しようとしたらP3-C搭乗員の一人から声が掛った。

 

 「なんだ?」

 〈頼む、処刑されるのならその前に尻尾を触らせてもらえないか?、死ぬ前の願いだ聞いてくれないか?〉

 

 「何を言ってるんだ?、心配するなお前たちは処刑はしない、罰金と引き換えに国に帰れるさ、ま、暫くは掛るだろうからゆっくりするんだな。」

 

 〈えっ、い、嫌だ。死刑になっても良いから触らせてくれ……た、たのむよ。せっかくに10年以上思い続けたモフモフの尻尾が目の前にあるんだ死んでもいいから触りたい。〉

 

 「はぁ、此奴何言ってんだ。尻尾さわって死刑になりたいのか?」

 他の搭乗員も頭に?マークを浮かべている物が多いがどうやら同類がもう一人はいそうな気配がしている。

 

 《えっとぉ、あなたは?》

 〈はい、P3-CでIFT、機上電子整備員をしている脇坂3尉、26歳です。ぜひ、そのふさふさと高貴な尻尾を堪能させては貰えませんか?、それが許されるなら私はあなたに感謝しながら死にます。〉

 仲間の搭乗員は?マークどころかドン引きしている。

 

 《脇坂様、残念ながら私の尻尾を触らせてあげる訳には行きません。獣人の尻尾は恋人か夫にしかさわらせないのです、でもあなたほど情熱のあるあなたならあなたを恋人や夫にしたいと思う、獣人はこの国には少なからずいると思いますよ。

 もしあなたが望むのであれば私から陛下にとりなしてあげますが。》

 

 〈はい、お願いします。

 是非、亡命させて下さい。何でもするのでお願いします。〉

 

 「ふぅ、確かにうちは技術者は欲しい、だが最悪のパターンでは日本と戦うかの所為もあるぞ、昨日までの同僚と戦えるか?」

 

 

 〈私にとってモフモフは自分の命に勝る至高の存在です、モフモフを守る為であれば私は悪魔にでもなりましょう。

 元同僚の情けとして花を手向けるぐらいは許して下さい。同僚たちも分かってくれるはずです。〉

 

 

 直人は苦笑しながら思った。

 同僚は尻尾と比較されて負けたのだ、花を手向けたぐらいでは分かってはくれないと思うがまあ、本人がそう思ってるならそれでいいだろう。直人はそう思う事にしてこの件についての思考を放棄したのだった。

 

 真贋の魔法で脇坂を見て見たが、彼の言葉に嘘偽りはなかったので直人は脇坂の亡命を認める事にした。

 

 「良いだろう、槙坂3等空尉の政治亡命を認める、」

 〈有難うございます。ありがとうございます。

 まるで死刑囚が無罪判決を勝ち取ったかのように涙を流して喜んでいる。〉

 

 「マリアーナ、此奴を姉さん所に連れて行け、獣人好きも伝えておけよ。」

 《はい》

 


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