第10話 直人帰還叶わず!
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■ 直人帰還叶わず
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約束は守られなかった。
そう、直人はアルスタン王国にいる。いるのだ。
「おい、こら!!、どうせ、上から見てるんだろ!出てこいよ。オラ、約束はどうした。
討伐終了と同時に返すんじゃなかったのか?
騙したのか?
ほおぅ~無視かい!、上等だ、この世界はあんたが管理してるんだよな。
壊れたら困るかい、こまるだろうなぁ、へへっ、壊してやるよ!どこまで出来るかやれるだけやってやる。
そこから見てるが良い。」
俺は転移してこの国の上空10000ftに佇んでいた。
「さぁ、消し飛べ!」
▼ 神界 ▼
極大魔法を放とうとしたその瞬間に俺は最初に来た白い空間にいた。
『と、とんでもない子なんだから……まさか本当に拡大魔法を放とうとするなんて信じられないわ。』
「騙した上に話し合いにも応じなかったから当然だろ、何されても文句は言わせない、たとえ神だろうとな……」
『はぁ~飛んでない子を選んだわね、あんたがあのまま放ったら数千人は死んでたわよ。』
「それはあんたが受けるべき罪で俺の罪じゃないね。神だろ約束を違えて良いのか?、あぁ、神だから何でも良いのか?、ふうーん、おれも好き勝手しようっと」
『はい、はい、わかったわよ。悪るかったわ。で、どうして欲しいの?』
「約束通り、元の世界の元の時間に帰してくれ……」
『ごめんなさい、できなくなっちゃたぁ……テヘッ!!』
「な、なにが"てへっ"だよどういう事なんだ、理由次第では暴れるぞ!」
『ま、まってぇ、ちゃんと話すから。』
『まず、あなたを返すには膨大な神力、魔力でもいいわ。が必要なの、私が時空をこじ開けて魔神から吸い上げた魔力を使うつもりだったんだけどぉ~』
『ほら、魔神が獣神とは知らなかったし流石に獣神から神力を奪うわけにはいかないでしょ。』
『私もびっくりなのよぉ~魔物か化け物かと思ってたら何と獣神でしたぁってオチはさすがの女神でもそうぞうもしなかったわぁ~』
『ごめんねぇ~悪気はなかったのよ……代わりにもう一つ願いを叶えて上げるからそれで許して……帰るっていうのは無理よ。』
はぁ~どうにもならないか、ならないのだろうなぁ、こんなことで俺を騙すメリットはいだろうし……
ん~んっと……
まっ、仕方ないかぇ、これもバカ女神に捕まった俺の運が悪かった。
「いいさ!、帰れないものは仕方ない、報酬は取り敢えず、保留でいいか? 今思いつくものは帰る意外ないからな。
それと一つ聞きたい、獣神が俺に神とか言ってたけどどういうことだ……」
『あのね、君が考えたことはみ~んな聞こえてたんだけど……』
『ま、良いわぁ、報酬は保留でいいわ、決まったら教会に行って祈りなさい、そうしたら呼ぶわ、今日みたいにあんなところから呼ぶのはすんごい神力を使うから勘弁してほしいわ』
「こら、こら、獣神の件はどうした?」
『あはっ……えっとぉねぇ、今じゃなきゃ駄目?、いずれわかると思うわでは駄目かしら?』
「なぁ、古代魔法ってここからでも届くかなぁ、隕石を贈りたいんだ、でっかいやつをね。」
はぁ、はぁ、わかったわよ、ほんと危ないやつに関わってしまったわ、この男のどこが心象は善で仁を持ち義に尊び礼知り忠に尽くすなんて出たのかしら?私の目も曇ってきたかしら……
わっ、わっ、や、やめて……おねがい。話すから
あなたがアルスタン王国から召喚された時に私がインターセプトしたんだけどその時に時空の流れが予想以上に乱れていて仕方ないから強引に引っ張ったらちょっとばかしあなたが壊れちゃったのよね。
仕方ないのでこっちの材料を使って修復したのそれで神格を得てしまったわけね。それだけなら良いんだけどうっかりやっちゃったんだけど、修復する時に私の神威まで渡しちゃった訳、つまり私の跡継ぎにあなたはなったのよ。
あなたは数百年間、地上で暮らした後は神界に登って数千年の修行に入ることになるわ、その後に私の後をついで世界を管理していくのよ。
それが今の世界かどうかは私にはわからないわ。
「ふーん、そっかぁ、うん、なんとなくだけど納得した。」
『あら、えらくあっさりしてるわね、もっと泣きわめくかと思ったのに。』
「えっ、だって、数百年後だろ?、俺死んでるし、関係ないじゃん。」
『あなたおばかぁ?、話聞いてないの?神になってるのよ、死ぬわけ無いでしょ。』
「はぁーーっ、まじかぁ~!!、これまた難儀な事になったなぁ~ま、仕方ないでしょう。うん、仕方ない。
だってそうしなきゃ俺はすでに死んでたんだろう、救急救命処置ってことで仕方ないよ。」
「ところで聞きたいんだが、俺のお取り寄せの機能はどうなってんだ?、代金は払わなくて良いのか? 限度額はどうなっている?」
『そうね、本来はあなたが帰るまでの機能って思っていたから限度なんて付けてないわよ。でも、ずっとこのままって訳にも行かないからそうねぇ~』
『 お詫びの意味も含めて後、5年間は限度無しで使わせてあげるわ、それ以降は対価を払って頂戴。』
「あっ、そうだ、一つ頼みたいことが有るんだけど。」
「ふん?、何かしらこの際だから出来る限りのことはするわよ。
「じゃ、頼むよ。俺の家族、つまり母親と妹がいるんだけど、俺は別の世界で生きていることを伝えてほしい。幸せに暮らしていると、無論、直接あってなんて無理だろうから夢でもいいから伝えてほしい、母と妹と同時に出来るとベターだな。」
な、なんていじらしい子なの、自分のことが大変だっていうのに家族の心配をして家族を安心させたいだなんて見直したわ。
『いいわよ、それくらいなら女神の私にとって朝飯前のことだわ、何か渡したいものがあったら一つづつだけど届けてあげるわ、今日寝る時に枕元において寝なさい。』
「おーーっ、そんな事も出来るかぁ。すまないな感謝する。」
『それくらいいわよ、こっちも約束果たせなかったんだから……普通だったらお金や権力、ハーレムなんて……あら、こっちはすでに構成中なのね。うふっ!』
「金はなんとかなりそうだし、権力もそれなりに付いてきそうだしね。ハーレムはもう、打ち止めって感じだな。もう増やすつもりはない。」
あら、もっと増えるわよ。頑張りなさい。
「へっ?、そんなつもりはないけど……」
『うふふふっ……じゃ、そろそろ戻りなさい。』
▼ アルスタン王国の自室 ▼
女神がそう言い終わると俺はまた意識を失った。
次に目が覚めると自室でちょうどアリエルが起こしに来たところだった。
《ナオト、おはよう!!、私メイドをくびになっちゃたぁ~》
「へっ、その割には元気そうだな。」
《はい、メイドを辞して騎士爵に叙爵して頂きナオト付きの護衛を命じられました。》
「うーん……どういうことだ……なるほどそうかって、護衛ってそれ反対じゃんか?」
《えっ、どういうことですか?》
あぁっ、本人は何もわかってないのね、幸せなやつだ、きっとジェシカ辺りのさしがねだろう。
「ん?、これまでよりずっと一緒にいられるってことだよ。」
《はい、とっても嬉しいです。 あ~ん、エッチィ~!!、もっと触ってぇ~》
尻をちょっと撫ぜたが、最近はこの反応だ、収まりがつかなくなるので食事に行くことにした。
食堂に着くとジェシカがいた。こっちを見てニヤリと笑う。
「ジェシカ、後で俺の部屋に来てほしいんだ、出来ればメルクリート王女も呼んできてほしい。」
<うん、良いけどどうしたの?>
「俺たちの今後のことで大事な話があると言ってくれ、詳しくは俺の部屋で揃ってから話したいんだ。」
<うん、わかった。>
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