調査
1
ピオーネの果軸が皿に横たわり、爽やかな満腹感が体を包んでいた。カビ臭い物輪宅でも美味しい物は美味しい、食べ物は嘘をつかない。
「さてと、そろそろ行くとするよ、解析は頼んだぜ、ただし深く行きすぎるなよ」
「うん、大丈夫、任せてよ、
(ふう、どうするか…これから事務所に戻るのも危険だし、となれば一旦動いてみるか)
物輪の作業場近くに保管して置いたヤマハFJR1300に跨がると、西日に向かって走り出した。
安心してくれ、バイクはオートマだ。勿論カラーはマッドブラックだぜ。
俺は久々のバイクに仕事を忘れ、ツーリング気分で山道を流した。
天気も良くご機嫌の気候の中、峠をいくつか越えると、あっという間に目的地へ到着した。
楽しい時間はすぐ過ぎちまうんだよな。
(資料によれば、この建物だな)
ここは、かなり田舎のさらに辺鄙なところ、この広大な土地に大きな研究棟が3棟建っている。
その建物の中で一際大きな白い建物があるんだ。どうやら、其処にエレナがいるらしいのさ。
しかしだ、なんだ此処は?
周りの自然と田畑とのギャップがあり過ぎる。この建物の敷地だけがSF的な未来空間でハリウッド映画のCGのようなんだ。
言ってみれば、異様な世界だな。
いやはや、何か起こりそうな場所だぜ、まったく。
まぁ、いい、そろそろエレナを探すとするか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます