誤解2

僕は砂漠の王宮のセキュリティゲートを通ってからセシルの待つ休憩室まで行った。IDカードもちゃんと持っていたのでよかった。

「キネさん、お久しぶりです」

「はい」

航空機が空を飛ぶことは、近年では当たり前の技術となった。

LCC(格安航空会社)の普及もあり、今や国内旅行と同じような感覚で海外の国へと渡航できるようになった。

今でこそ航空機は我々の生活に根付いているが、人類初の動力飛行は木製の骨組みと布張りの翼によるものだったといわれている。

大昔の話だが。

僕の生きる24世紀では完全に無人で自動操縦の飛行機が普及している。

機械学習アルゴリズム、データラベル付け、データ・プロセシング、モデル生成の自動ツールといった自律技術のおかげである。

人間の介入を不必要として完全に自動化できたのだ。

なかにはパイロットなしの飛行機は寂しいという声もあって、僕らパイロットは航空業界から必要とされた。


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