混沌2
砂漠の王宮の図書館を退出した僕はセシルに話を聞く。
「私の名前はセシル・リリエンソール。サフラン様に仕えている侍女でございます」
セシルの本にはICチップが埋め込まれている。
ICチップは莫大な量の情報を高度に暗号化して保存しており、簡単にその情報を盗み出すということができないため、より安全といえる。
セシルが本を借りるときには図書館の司書が本人確認のためにICチップをNFC搭載機能の端末機で読み取るらしい。
「キネさんもここで本を借りれますよ」
セシルが笑いながら僕に言った。
エレクトロニクスの分野は第二次世界大戦後急速に発展、成長し、そのことばを冠した学問、技術が1950年代後半に相次いで現れた。たとえば、トランジスタなどの素子を1枚の基板に組み込んだ集積回路(IC)の開発により登場したマイクロエレクトロニクスは、大規模集積回路(LSI)や超大規模集積回路(超LSI)と半導体製造技術の進歩と相伴って進展している。
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