第16章秋から冬へ

■池波修二（いけなみしゅうじ）

　この物語の主人公で地方国立大の理学部一年生。基本的に冷静沈着で物事に動じない方。人当たりは良く、年齢不相応に大人びていることも。物語の序盤で周囲の噂に後押しされる形で百合と交際開始。その後も順調に交際を続け、31話で幼馴染の百合（ゆり）と結婚して以後、彼女の堀川家で義父母と同居生活。大学に通いつつ新婚生活を満喫している。暑いのが人一倍苦手でやや出不精な気がある。自分ならしないような気まぐれな行動や常識外れな行動も含めて、百合のことを愛らしく思っている節がある。百合とはずっと良好な仲なものの、紳士的に接したいと考えるあまり、淡白に見える接し方をすることもあり、百合はそのことが時々不満な模様。

■池波百合（いけなみゆり）

　旧姓は堀川（ほりかわ）。この物語のヒロインあるいはもう一人の主人公で修二と同じ大学の理学部一年生。好奇心旺盛で気まぐれ。人当たりは良いけど、相手をよく観察していてすぐには心を許さない。主人公の修二とは小一からの付き合いで、以来ウマがあって高校まで仲の良い友人としての付き合いが続いていたものの、周囲の噂に後押しされる形で修二と交際開始。31話で修二と結婚して以後は同じ部屋で寝起きしている。学業成績や記憶能力に秀でていて、大学受験ですら記念日感覚だった。自分が女の子らしくないことを気にしていて、修二にもっと好いてもらおうとネットから知識を拾っては女の子っぽく振る舞おうと努力する健気な一面もある。

■春日優（かすがゆう）

　修二と百合の幼馴染で現在も二人と同じ大学の理学部一年生。面倒見が良くて百合とは姉妹のような関係でもある。物語の途中でふとしたきっかけから修二たちの友人である川村宗吾（かわむらそうご）と交際開始。宗吾とは順調に交際を続けているものの、百合から見れば意外に奥手とも見えている。百合が人目を気にせず修二とイチャついていることに毎回ため息をつきつつバカ夫婦とツッコミを欠かさない。

■川村宗吾（かわむらそうご）

　修二とは高校からの付き合いの友人で同じく理学部一年生。腹黒い女子にはトラウマがある模様。物語の途中で優と付き合うことになり、以後順調に交際を続けている。優とはお互いに「自分には勿体ないほどの彼女」「自分には勿体ないほどの彼氏」と思っている模様。基本的には良識派なので優と同じく主人公夫婦へのツッコミ役に回ること多し。

■中条悠馬（なかじょうゆうま）

　修二と百合が所属するマイコン部の友人。よく部室でたわいない雑談をする仲。年頃の大学生らしく、時折彼女が欲しいとつぶやいている。

■八杉智子（やすぎともこ）

　同じくマイコン部の友人。結構良いところの出身らしく、所作や物腰にも上品さが漂う。池波夫妻の馴れ初めや関係には興味津々な模様。百合とも仲がよく、智（とも）ちゃんと呼ばれている。

■花守陽毬（はなもりひまり）

　二学期にプログラミング入門の講義で出会った情報学部一年の女子。先生の間違いに、専門家もかくやという勢いで食ってかかっていたのが出会ったきっかけ。本人はそのことを気にしていて、高田涼介（たかだりょうすけ）に高校時代からフォローされていたらしい。涼介のことを難からず思っていたが仲は遅々として進展せず。最近ようやく恋が成就。基本的には大人しい方なものの、一度やると決めたらやり切る一面も。座右の銘は「優柔不断は最大の悪徳」。

■高田涼介（たかだりょうすけ）

　二学期に出会った情報学部一年の男子。年齢に似合わず大人びていて飄々とした青年。人当たりは良く、高校時代からよく先生に食ってかかる陽毬のフォローをしていた。二歳歳下の妹と陽毬を重ねている節がある一方、年齢に似合わない物事の理解力については尊敬している模様。内心憎からず思っていた陽毬からのアプローチがあり、最近恋人に。修二や百合からは「いい人だけど、飄々として何を考えているのか読めない」と見られている。

■春日雪（かすがゆき）

　春日優の二つ年下の従姉妹。初対面の人にも物怖じしないタイプなものの、場の雰囲気を考えない質問をして、周りをヒヤヒヤさせることが多々ある。最近、百合が始めた家庭教師のバイトの教え子。

■与助（よすけ）

　堀川家あるいは主人公夫婦の飼い猫。元々は修二や百合が幼少の頃から地域に居着いていた地域猫で最初から人慣れしていた。肺炎にかかったのをきっかけに堀川家の一員として迎え入れられた。百合の命名だが、実はメス。気性は穏やかで堀川家でも堂々と過ごしている。夫婦が寝ているところに潜り込んで一緒に寝ていることもある。