第3話 翌朝 ※すみません! 納得いかなくて全部改編しました
次に目を覚ますと、まず最初に飛び込んできたのは真っ白な天井だった。
カーテンの隙間からは朝の新鮮な光が溢れ、スズメの囀りが微かに響き渡っている。
この落ち着くような空間。周りを見渡せば、いつも見慣れた風景が広がっている。
――あれは夢、だったのか……?
どのくらいかぼぉーっとしているうちに頭が冴えてくる。
それと同時に今、自宅の自室にいることを理解する。
夢にしてはだいぶリアリティーが高かったような気がするけど……どっちなんだ?
昨晩の記憶がないせいか、現実との区別が容易につかない。記憶がぶっ飛ぶくらいに恐ろしい悪夢だったのか、それともマジの体験だったのか……それがわかるまではもう少し時間がかかりそうだ。
ひとまず汗がすごい。四月の終わりごろでまだ過ごしやすい季節だというのにまるでサウナにでも入ってたんかというくらいに寝巻きやらがびっしょりに濡れまくっていた。ベッドから上体を起こそうと手を着いた時……ふにゅん。
「あん♡」
柔らかい感触と甘い声が聞こえてきた。
俺は恐る恐る隣に目を移す。
「朝から私の胸を揉んじゃうなんて……えっち♡」
「な、なななな……ッ?!」
俺はすぐさまベッドから飛び退く。
愛香は小悪魔めいた笑みを浮かべていた。
「なんで俺のベッドに潜り込んでるんだよ!? てか、は、裸、だよな……?」
「気になりますか? お兄ちゃん」
愛香は布団に包まりながら上体を起こす。
それからして、すんすんと布団の匂いを嗅ぎ始めた。
「ああ……お兄ちゃんの毎日使っている布団♡ お兄ちゃんの染み付いた匂い♡ お兄ちゃんの甘〜い汗♡ お兄ちゃんのすべてが愛おしい! 好き好きだぁ〜い好き♡ 私のものは全部お兄ちゃんのもの。だからお兄ちゃんが見たいならいいよ? 私を欲望の吐口に使って♡」
愛香の表情がとろ〜んとしている。
興奮しているのか、息遣いもはぁはぁと荒く、その姿は誰が見ても艶かしい。
――こいつ……本当に狂ってる。
本格的にこのヤンデレな性格をどうにかしなければいけない。ブラコンの面は百歩譲ってまだいいとしても、さすがに今後もこの調子じゃ、俺の身の安全もだが、愛香自身が社会的に相当困ってしまうだろう。
例え、好きな人ができたとして、交際するような関係性に発展したとしても、このヤンデレ具合じゃ、愛が重すぎて逃げられかねない。兄として妹の幸せを第一に考えるのも義務だ。どうにかして矯正させなければ……!
「アホか。とにかく俺は部屋から出るからさっさと着替えろ」
俺はあえて冷たい態度を取って、自室から出ていく。
今までは愛香の行動に毎回びくびくして動揺していたが、それだといつまで経ってもヤンデレは治ってくれない。舐められたままでは兄としての威厳も損われかねないし、これからはビシっとしっかりしていかないと。
それにしてもなんであんな風になってしまったのかなぁ?
ふと、手で顔を覆いたくなったが、先ほどの“ふにゅん“とした感触が蘇る。
「……」
女子のおっぱい初めて触ったけど……めっちゃ柔らかかったなぁ。
この時点で兄として失格だな俺。
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