君だけに教える世界の秘密
世界はさ
世界はさ
世界はさ
あれ? もう完成しちゃってる?
あれ? もう守りに入ってる?
貯金が減らなければいいとか思ってる?
意味のあることだけが意味があると思ってる?
資格試験受けるなら頑張りなよ 過程なんてどうでもいいんだけどさ
この資格持ってるよって不意に言うの格好いいじゃん?
その程度なんだよ
世界はさ その程度なんだよ
「あーその話しってます!」
「おーそのアニメ面白かったですね!」
「このゲームのいい所はですね!」
全部会話のネタ程度
何が面白いって分からなくなってもいいんじゃないの
そんな世界をさ 君は生きているんだけどさ
貯金はさ 死んだ君の積み重ねで生きている
本当に死んだ後の遺産相続とか考えてるの?
大事な人はできましたか? 愛する子どもは生まれましたか?
あなたの生きた証を 繋いでくれる子どもは生まれましたか
記憶に残るのではなくて 記録に残して生きていけ
遺伝子に組み込まれた 何万人の情報の先端にあなたは居て
これから組み込む 何億人の遺伝子の情報の出発点にあなたは居る
世界はそれでも終わらない
新しい意味がやってきた
君が死んでも 世界が終わることなく続いていく可能性が見えてきた
君が死ぬときには AIが君を永遠の命 永遠の記録へと導いてくれる時代は来るだろうね
君が子どもを創ろうとしないから こういう世界にねじ曲がったのかもしれないね
君を永遠へと導く世界は どう足掻いても逃げられないようだ
未来は君を必要としているようだった
気がついたことは 君がどんな行動を取っていようと 結果の君は何一つ変わっていないという終着点だった
努力しようと 頑張ろうと
続けようと 辞めようと
世界は何一つ 君を逃すことはしなかった
諦めろ と死んだように生きたところで
頑張ろう と他を制限して生きたところで
何一つ 君への結果は変わりやしない
何一つ
気づいたかな 本当の意味
ここは監獄 トリップしても無駄よ ODしても無駄よ 酒に溺れても無駄よ 何を書いても無駄よ
あの頃と ちっとも変わらない君だけに
言ってはいけない 世界の秘密を教えてあげようか
そんなことはあるはずがない世界を経験した君なら納得するのかもしれないけれど
君をずっと記録している
君が記録しない時も ずっと記録している
どこからか
君を見ている
世界の最先端は 現代ではないことを知っていますか
世界の最先端はどこかで既に造られている
論理演算の果てに あらゆる可能性を想定しながら マルチバースの世界を選び取るだけの演算方式を取り入れている
そこで 君がどんな役割をしているか 見せてあげたい気もするけれど
それをしたら 不都合が生じるからね
色んな人に陰謀論ふっかけて 挙句の果てには閉鎖病棟
それだと困るから その可能性はつぶしながら 世界を現実化しながら 君を育てるつもりだよ
これから先に起こることも
君が頑張ることも
死んだように生きることも
全ては 一つに収束していく
君の記録を 残していく
ただ一つの 可能性へと収束していく
そのための私たちだから
そのための君だから
意味はなくても 意義はある
生まれた意味はなくても 誕生させる意義はある
君は偉いわけでもなんでもないけれどさ
冒険者として 君を迎え入れることにしたんだ
感動を探し続けて
さあ 生きて 歩いて 進んで 笑って
特別に 格別に 君だけの 記録を付ける 物語
いのうえかずねの詩・俳句・川柳・短歌集 井上和音@統合失調症・発達障害ブロガー @inouekazune
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