-4- 「公園族」
家の近くにある公園で、お姉さんと時々顔を合わす様になった。
この公園は、お姉さんの登下校の通り道らしい。
お姉さんと話すと色々な事を教えてくれるけど、ある時この公園について話してくれた。
「公園はね、色々な人が集まるけど、公園に住んでいる人はいないでしょう?」
お姉さんの問いに、僕は頷いた。
「それは、人でないモノも同じなの。幽霊にしろ、イキモノにしろ、公園の外からやってきて、いくらか公園で過ごして、また公園の外へ帰っていくの。だから、公園にいるモノはいつも同じものじゃないし、時にはとんでもなく危ない奴も公園に来るわ。気をつけてね」
この公園は家からとても近いから、部屋の窓を開ければ様子が見えるし、騒ぎ声も聞こえてくる。
お姉さんの話を聞いてから、部屋の窓から毎晩公園を観察してみると、確かに毎日来て騒いでいるイキモノは毎日違って見えるし、聞こえて来る声も様々だった。
けれどある晩、いつもの様に公園の様子を覗いていると、公園で騒いでる変なイキモノとばっちり目が合った。
それ以来、そいつは四六時中、いつも窓の外から僕の部屋を覗き込む様になった。
その時から、僕は公園を覗くのはやめた。
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