-5- 「なきまね」

 夕暮れ、森崎君の家から帰る途中、ヒグラシがカナカナと鳴いていた。


 すぐ近くの立ち木から鳴き声が聞こえると思って見上げると、人のような姿のイキモノが気にしがみついて鳴いていた。


 その鳴き声は驚くほど蝉にそっくりで、嬉しそうに笑顔で鳴いていて、何だか気持ち悪かった。


 そう言えば、こいつが猫や犬の声で鳴いているのも、見たことがある。










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