第3話 プライドと嫉妬と妬む心
セリは、アメの元で、随分と元気になった。だが、セリのすぐに調子に乗る性格から、アメの退院の許可はでず、そればかりか、病室となる部屋にも行く事も許されず、よりによって、1番偉い神の監視の元、その神の内側に入れられる事に。
セリ「私、このような特別室など、よろしいのかしら。。。なんだか、特別待遇なようなのですけど。。。」
あぁ、、、セリよ。。。君のその天然な事こそ、最大の武器になるだろう。。。
ある日、アメが次の急患を指名した。
「そこの、あなた!もう、限界よ!そして、あなたもよ!家族共々、面倒みるわ!いらっしゃい!」
次なる患者は、家族。初めから変な雰囲気だった。息子である、ラルゴは一人の娘にずっと想いをよせていた。ずっと想いは胸にしまい込み、彼女に違う形で愛を与えていたのだが、父の勧めにより、想いを相手に告げてしまう。自分に向けられる彼女の愛は、真の愛ではない事を知りつつ、彼女に近づくが、やはり、言わなければ良かったと後悔ばかりが残り、ラルゴは事ある毎に、彼女を責め始める。
そのラルゴの父すらも、その彼女に可愛らしさを感じ、娘以上の感情を抱くようになる。その二人の心を厳しい目で見ていたのが、妻であり、母である、ジェシーだった。
ジェシーは、女神であり、かなり、位の高い、そして、女神としてはかなり優秀な部類だった。
全ては、このジェシーの曲がった、心が招いた闇の仕業だったのだ。
ジェシー「なぜ?!、、私が治療を受けなければならないのですか!」
治療を中々受け入れようとはせず、そのまま、闇は野放し状態だった。
ジェシー(なぜ?、、この私が、あの娘に劣るのよ!そんなはずないわ!)
幼い頃よりその彼女を見てきたジェシーは彼女の内側に秘めたる、女神としての質を感じとり、嫉妬心は膨らむばかりだった。
セリ同様、ジェシーの治療がはじまる。親子3人は、岩の上に寝かされ、アメと義とで結界が張られていく。多くの魔物が出てきては、消滅を繰り返し、ひとまず終え、そのまま、眠らし、様子を、見ることに。
治療の様子を神の内側にいるセリは、まじまじと見る事で、自分に置き換え、震えが止まらなかった。
セリ「私もあのような状態だったと。。。怖いです!」
神「セリよ、案ずるでない。自ら、闇を寄せ付けない術を身につければ、怖いものなどない。」
セリ「術を身につける。。。?」
神「そうだ。闇は何処から来るのか?己の何に好み、食らいつくのか。闇の特長を掴み、身を守る術を知れば、恐れるに足らぬ。そなたの夫である、陸はすでに気が付き始めている。」
神は様々な事をセリに話すのだった。
アメ「義。。。ジェシーの嫉妬、妬みは、かなりのものよ。あの娘に、何らかの影響が、出なければいいのだけど。。。」
義「ふむ。。。皆にも、守って頂いてはいるが。。。心は私が守り抜く。。」
アメの指す、「あの娘」。ジェシーの標的にされ、ラルゴが、想いをよせる相手。
「果穂」。。。。
ジェシー「あの娘さえ、いなければ。。。」
ジェシーはこの娘に対する自分の気持ちを正す事ができなかった。
彼女は、「女神たる者は!こう、あるべき!、、、女神とは!」
と言う、自身の中での「女神」と言う称号に相応しさの概念があり、自分には無いものを持ち合わせた、果穂に嫉妬し、妬んでいたのである。しかし、それを自分では、認めず、表面上は、果穂には、良き育ての母のようだったのだ。
また、同じ女神のアンティの良き相談者にも、なっていた。
正に、「女神の鏡」だったのだ。
義は、ジェシーの心のあり方をかえなくては、また、闇に襲われてしまう。。。そう考え、頭をもたげていた。。。
ある程度、落ち着き、親子は病室へと移された。
その病室のある屋敷こそ、アメと義が婚姻を結び夫婦であった頃の屋敷である。。。それが、今や診療所となり、病室となっている。。。
アメ「義、病室に3人を移したわよ。」
義「あぁ。。。わかった。」
アメ「夫が果穂に目を向けた事ではなく、女神としてのものに対する心なんて、よっぽど、女神のプライドが高く、ある意味、生真面目なのかしら?」
義「なんともな。。。」
アメ「まだまだ、油断ならないわよ。」
何も返事のできない義であった。。。
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