アフターデイズ

 君と俺の恋は終わった。

 あの日から、俺はちゃんと笑えているだろうか。


 雪が枯れたあの日のことを、俺は今でも引きずっている。遠く過ぎ去ったあの懐かしい日を、未だに思い出し続ける。

 俺は制服に着替え、家を出る。玄関前では、宵が制服姿で待っていた。


「おはよう冬樹」


「おはよう、宵」


 あれから、俺は学校に少しずつではあるが通い始めていた。

 学校に来なくなった原因である暴力事件、その日に俺が殴ってしまった人にも謝る勇気をもらえたから。

 きっとあいつがいなかったら、俺は今も家に引きこもり続けていただろう。


 ありがとう、灯。





 君は私の運命の人じゃない。分かっていても、やっぱり寂しかった。君が運命の人であってほしかった。

 だから私は泣いた。一人で、隠れて泣いた。でももう泣き止んだ。だから大丈夫。


 君と初めて出会った日、君は本当にそっけない奴だったよね。

 好きだけが恋じゃない。嫌いだって恋に等しいものなんだ。だからまだ、君に恋をしたままで構わないよね。


「ね、冬樹」

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きっとそれは恋だった、だけど愛にはならなかった。 総督琉 @soutokuryu

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