ケモナーの決着!1
「「お帰りー!」」
最後に倒された上に少しばかり抵抗し、倒されるのが遅くなった彼女のリスポーンは当然遅くなる。結果先に倒され待っていた二人に迎えられることになった。
3回倒されたことによりなれたのだろう、アリスもリーフも落ち込んでおらず、むしろその顔にはかわいらしい笑顔が浮かんでいた。
「なんか二人とも嬉しそうだね、なんかあった?」
リスポーンした瞬間から、ずっと嬉しそうな二人のことが気になり、訪ねる。もしかしたらフロスがいない少しの間に新しいスキルを見つけたのかもしれない。それならばフロスも聞き出さなければならないのだ。
「いいことって……私たちの戦術がしっかり通じたんだよ!? 快挙じゃん!」
どうやらアリスはその後に再びギミックが発動し倒された上に、発動条件が分かっていないことを忘れているようだ。
「でも今のところは倒せないよ?」
「それは……うーん……リーフかフロスは何かいい案ある?」
「私はそうだなー……あの後リルに魔法使ってもらったらものすごくHPが減ったんだよね、だから物理攻撃である程度削った後トドメに魔法を使えばいいんじゃない?」
事実、リルの魔法はボスに対してかなり有効であった。しかし有効であるが故にそこには罠が設置されている。フロスたちの睨んだ通り、ギミックの発動条件の一つは魔法攻撃なのだ。よって最後に使えば問題ない、というのが彼女の考えである。
「それはいいんだけど……問題は最後に発動したあのギミックなんだよね、何が条件なんだろ……」
「うーん……時間、とか?」
「時間……あるかも、でもそれならどうやってスピードを上げるかだけど……どする?」
分かったところで時間についてはどうしようもない、純粋に攻撃力を上げる、攻撃と攻撃の間を早くする、攻撃力が高い人を招待するなど、方法はいくつかあるだろう。しかしどれも一朝一夕でできるものではないだろう。
「誰か呼べればいいんだけど私とアリスは誰も呼べません! 人脈ないのでっ! というかリーフは最初一人でやってたから無理だよね?」
「それ威張って言うことじゃなくない!? というかそこには触れないで! 無理だけどさ……無理だけど改めて言われるのは少し心にくるというか……」
3人揃って呼べる人がいない、どん詰まりだ。
「おうおう! 困っとるようやな!」
突如後ろから声が聞こえた。振り返るとそこには3人の男。見覚えのなかったリーフは当然首を傾げて、フロスとアリスの方を見る。
「久しぶりやな! フロス嬢にアリス嬢! それとはじめましてやな、リーフ嬢!」
「何で私の名前を?」
「何でも何もランキング載っとるやろ」
「あ、そっか。フロスとアリスの知り合いですか?」
「そや! ワイらは戦友やで!」
「「あの……どちら様でしょうか?」」
「何でや!!」
どうやら二人は覚えていなかったらしい。
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