ケモナーの再決戦!
「それじゃあ行こうかっ!」
3人で心を決めて再び試練の塔へと足を踏み入れる。全ては第1層のボス、スカル・センチピードに一矢報いるため。今彼女らの頭の中には、いかにしてボスを撃破するのかと言うことしかなかった。
「順番どうする? 連続攻撃しちゃいけないなら決めなきゃじゃない?」
中に入った後、思い出したかのようにフロスが二人に告げる。幸い、条件を満たさない限りはボスが出てこない部屋だったため、何の問題もなく話すことができた。
「んー……別に連続で攻撃しなきゃいいだけだから順番を決める必要はないと思うよ? とりあえず同じ人が2回攻撃しないようにって事で!」
「あー、それもそうだね、ごめん忘れてっ!」
「それじゃそろそろ始める?」
「「「絶対倒すぞっ!」」」
3人で大きな声をあげる。各々が必ずかの理不尽なボスを倒さねばならぬと決意した瞬間だった。
アリスが先行して扉へと向かい、ボスを出すことにした。つまり最初に攻撃するのはアリスだ。
「間違えて連続攻撃しないでよー?」
「分かってる! 流石に私もそこまで馬鹿じゃないしっ! って危なかった……!」
フロスたちに気を取られていたアリスは危うく攻撃されるところだった。しかしギリギリで察知し、避けることに成功したようだ。
「それじゃ行くよっ!【スラッシュ】!」
HPバーが僅かに減少する。さほど効果があるわけではないようだが、前のように目の前からボスが消えて、気がついたら死んでいるなどと言う状況にもならなかった。どうやら読みは当たっていたらしい。
「よっし……! それじゃ次リーフかフロスお願い!」
攻撃が有効であり、さらにギミックが発動しないことに気がついたら後は早いものだ。順番に攻撃していけばいいのである。
「まっかせて! 【狙撃ッ】!」
「【
アリスは狙撃で、フロスもリルを召喚してスカル・センチピードへ攻撃する。
少しづつだが目に見えてHPが減ってきていたことに3人が希望を持ったその瞬間、その希望は折られて、一瞬のうちに絶望へと切り替わる。
「アリスっ!?」
何巡目かの攻撃で、アリスがスカル・センチピードへ近づいた瞬間、ボスの速度が上がり一瞬にして彼女の背後を取った。ギミックが発動してしまったのである。
「リーフ逃げてっ!」
アリスを消滅させたスカル・センチピードは続けてリーフの背後へと体を移した。
「っ
リーフの弓の力によって、ボスは一瞬何かに縛られたかのように動きを止める。しかしすぐに振り切ったようで再び体を動かしてリーフを攻撃した。
「きっついなー……」
最後に残されたフロス、そして当然、最後に残っていたのだからスカル・センチピードのターゲットにされる。
「ただじゃ死なないよ……! リル!」
フロスがリルに指示を出した瞬間、辺り一面にダイヤモンドダストが降り注いだ。続けて、スカル・センチピードの足が凍りつき、動きが一瞬止まる。
「魔法が弱点だよっ! やっちゃえ!」
最後に放たれるのはクリスタルショット、とてつもない威力を誇る魔法が1層の守護者へと牙を剥く。
「やった……!?」
あたりに響き渡るボスの叫び声、しかしそれが聞こえると言うことは未だボスが生存していると言うことを意味するのである。
「やっぱダメかー……」
HPバーへ目を向けると、まだ25%ほどが残されていた。
そして【クリスタルエリア】の効力が切れる直前、スカル・センチピードからとてつもない威力の魔法が放たれた。その攻撃はフロスの視界を潰して、そのままHPを全損させた。
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