ケモナーのお友達参戦!

かなでー! おっはよ!」


朝、今日もかすみは教室に着くとすぐにかなでを見つけ、後ろから突進する。


「わぷっ! ちょっとかすみ! 突進してこないでって何回も言ってるじゃん!」

「良いじゃん良いじゃん! 細かいことは気にしない!」

「もー……あ、そうだ! 倫理のテスト今日だから今日の夜はできるよ! 一緒にやろうね!」


おそらくかなではテストなんて見えてないだろう。目がお菓子を前にした子供みたいにキラキラしていた。


「ねえ、そういえばまだアバターの姿全く聞いてないんだけど。特徴だけ教えてもらえない?」

「んー? 特に何も変えてないから私のまんまだよ?ど?分かりやすいでしょ!」

「はああ!? ねえあんたはバカなの? いや、バカだね!」

「ええ……なんかやっちゃった……? 後自己完結しないでよ」


かなでのあまりの剣幕にビビり縮こまるかすみ


「ネットに顔晒すのは色々とまずいよ? 10年前あたりをピークに色々あったじゃない」

「あー、そういえばなんか色々あったね、それじゃもしかして……まずい?」

「まあ大丈夫じゃない? それよりいつやる?」

「んー、まいっか! それじゃ帰るのが四時二十分くらいだから……四時半からやろっか!」

「おっけー! あ、今日は体操着持ってきた?」

「今日は……うん、大丈夫!」

「それじゃ行こっか!」


一通り予定を立てたかすみかなでは二人で更衣室に向かって行った。



「あ!かなでこっちこっちー!」


かなでを見つけたフロスは大声で手を振り声をかける。それに気がついたかなでは足早にフロスの座っているところ椅子まで歩いてきた。


「私はこっちだとアリスね!」

「うわーこれまたありきたりだなー、私はフロスって言う名前にした! ていうかアリスだって髪の毛金色にして目の色変えただけじゃん!」


顔を晒すのはまずいとか言っていたアリスがパーツをほとんど変えていないところにフロスは突っ込む。


「何も変えてないあんたよりはマシよ、それに遠目じゃ私だって分からないでしょ?」

「いや、私すぐにアリスだって気がついたよ?」


二人の間に少し沈黙が走る。


「それじゃ早速行こっか! 【召喚サモンポチ】よし! ポチー、今日も乗せてね? ついでにモフる!」


気まずくなり無理矢理どこかにアリスと行くことにしたフロス。彼女はいつも通りポチをモフりながら背中に乗せてもらう。


「ほら、アリスも乗って!」


アリスを急かしてポチの背中に乗せる。


「それじゃーしゅっぱーつ!」

「「おー!!」」

「これがやりたかったんだ! アリスありがとね!」


今までは一人でやっていた掛け声を一緒にやってくれる人ができたことでフロスは感激し、アリスに全力でお礼を言う。


「どこ行くー?」

「うん、行き先決めてなかったの!?」


あんな掛け声までして、てっきり決めてあるものだ。そうアリスは考えていた。


「うん、なんも決めてない!」


能天気なフロスを横目にアリスは少しだけ考え込む。そして一つの結論を叩き出した。


「ねえ、考えたんだけど私たち別行動の方がいいんじゃない?ほら、多分フロスはレベルある程度上がってるでしょ?見て、私、レベル1ぞ? それで、スキル今何個持ってる?」

「えっとねー、ちょっと待って! 【ステータス】」


フロス 

Lv.13HP 3950 MP 95

《ATK》26

《LUK》26

《DEX》16

《VIT》46

《AGI》31

《RES》16

《INT》41

装備品

頭部 【白狼の被り物】追加効果LUK+10

身体 【白狼の衣】追加効果VIT+30

メイン武器 【白狼の杖】追加効果INT+25

サブ武器 【白狼の脇差】追加効果ATK+10

足  【白狼の衣】

靴  【白狼の靴】追加効果AGl+15

補助品【きびだんご】


装備セット【フェンリルシリーズ】

氷魔法の威力大アップ


スキル

【動物愛護】【白狼の絆】【召喚サモン

【蛇王の絆】【炎の心得I】【氷の心得I】

【スリープ】


称号【モフリスト】


SP43


「うん、7個ある!」

「うーん……多いのか少ないのか分からないや」


まだこのゲームについてよく知らないアリスは少し渋い顔をする。


「まあ……別行動ってことで! フロスはスキル集めないとね!それで、今どう言うスキル持ってるの?」

「えっとね、これがー……こうで……これが……こんな感じ!」


フロスは持っているスキルをアリスに一通り説明する。


「へー! あ、この【動物愛護】ってやつ、どこで手に入るの?」

「無抵抗で魔物に50回以上殺されると手に入るよ!あ、一日の間にね!」


取得条件を聞いた瞬間、アリスの表情が固まった。


「ねえフロス、もしかして私の知らないところでいじめられてたりする?」


そして真っ先に思ったのは「もしかしたらいじめられてるんじゃ?」と言うことだった。


「もしいじめられてるんなら言ってね? 今度は私が助ける番だから!」

「いや、あの……意気込んでるところ悪いけどいじめられてないよ?」


「ほんと? ほんとに?」


尚しつこく聞いてくるアリスにフロスは何度も頷く。


「よかったー! もしいじめられてたら相手の人殴りに行くとこだったよ! でも……50回無抵抗で殺されるって……もしかしてMなの?」

「いや違うよ!? 相手がモフモフだったから倒せなくて……でもモフモフしたいし……欲求がぶつかり合って気がついたら50回やられてたの」

「うーん……まあわたしにはまず取れないかな。絶対反撃しちゃう。それじゃまた2時間後に集合で!」

「おっけー! それじゃ!」


二人はスキルを集めにそれぞれ向かうべき場所へと向かっていった。

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