やっぱり聞かれるんだよね

「裕太ぁ?沙姫から聞いたんだけどさ、SMプレイしたんだって?しかも放置プレイだって?」

「う…。ま、まぁ、どっちかと言うと放置に近いんじゃないか?」

「へぇ〜裕太はそーいうプレイが好きなのかぁ。」

「ちょ!絢香!声でかい!ここ会社!だめ!仕事戻れ!」

「んじゃ、また昼ね。」

「昼もダメな。」

「なら夜。」

「沙姫がいいって言ったらな。」

「いえっさー。」


沙姫さん、あなた、やりましたね。いちっっっばんめんどくさい人に伝えましたね。はぁ、まぁいいか。


居酒屋行くこと伝えとかないとな…


『裕太:今日絢香と飲み行っていいか?』

『沙姫:いいよ。もうお母さんから聞かれてたしね。』


まじか、あいつはえぇな。


『裕太:なら行ってくる。』

『沙姫:うん、飲みすぎないでね。』

『裕太:あー、そうだな。』

『沙姫:仕事頑張ってね。』

『裕太:ありがと。』


まぁ、絢香は、どうせ払わないんだろうなぁ。お金が消える消える。しゃーねーな。


仕事をさっさと終わらせて居酒屋行くか。


『絢香:先に行ってるから仕事終わったら来てねー。』

『裕太:わかった。』


あいつが先に行っとくなんてめっちゃ嫌な予感しかしないぞ。


「あ!裕太!ここだよここ!」


居酒屋に入ってどこの個室なのか分からないでいたら、御手洗からでてきた絢香と鉢合わせる。ついた個室の前には…靴が2足…。


あーあーこの人まさか、まさかあの人呼んだわけじゃないよね?違うよねぇ。


恐る恐る個室の扉を開ける。うん。知ってたよ。知ってたよ!!詩麻だよな。うん。諦めよ。


「先輩!今日はまた誘ってくれてありがとうございます!」

「ん?」

「裕太、あんたが誘ったことにしてるから。」

「は?」


ほんとに嫌な予感しかしなかったんだよ。これか。はぁ。


「裕太座って。で、本題に入ろうか。」

「…お、おう。」

「どんなプレイしたのよ。」

「絢香さん!?プレイって、裕太さんが、その、あの、えっと…。」

「そう、裕太が、沙姫と昨日どんなセックスをしたのか聞いてるの。」

「絢香言葉濁さなきゃ。」

「先輩私の事子供扱いしないでください。」

「そーいう意味じゃないんだけど…。」


あの、そんな大声でセックスとか言わないで?今更だけどさ。


「で?裕太、最初はどうしたの?」

「いや、なんて言うか沙姫の方からSMプレイしよって言われて…」

「へぇ、どっちがS?」

「俺かな。元々沙姫がMっ気あったからしたくなったんじゃない?」

「へぇ、私譲りかぁ。面白いかも…」


なんか物騒なこと言ってんなぁ。詩麻なんか固まってるし。はぁ。絢香は何がしたいんだか。


「で、そのあとに放置プレイに変わったって言うのは?」

「ほ、放置プレイ…」


詩麻ノックアウトだ。刺激強かったか。


「いや、虐めようと思ってこの前買った玩具を1時間装着させてたら気絶してた。で、そのまま終わるの嫌だから、そのまま気の済むまでしました。」


もうどうとでもなれと全てを語ったら、詩麻だけでなく絢香まで絶句していた。え?なんで?


「そこまで話せとは言ってない…」

「え?」

「あんた、そこまでドSだったんだ…」

「先輩って動けない人を犯す人だったんだ…」


あ、なんか悪い方向に行ってない?沙姫!助けて!


「これ、沙姫ちゃん気絶した後にされたこと知ってるのかな…」

「裕太、教えた?」

「お、しえてないかなぁ…」

「うわぁ、先輩、意外とサイテーかも…」

「裕太、サイテーね。」

「う…」


このタイミングで、沙姫に電話をかける絢香。え、待って、待って俺が伝える俺が言うから!


そう、思ってる間に電話は繋がってしまう。


「沙姫、あんた今から言うこと知らなかったら後で裕太怒りな。」

『なに?』

「あんた昨日気絶した後に散々中に出されたらしいわよ。」


あれ?中出しはしたけど散々って言ってないよ?


『あ〜、起きたら中に溜まってたから知ってるよ。別にいいよ。怒らないし、もっとして欲しいかな。』

「沙姫、私以上のMなの?」

『そうなの?…ってか、お母さんからMなの!?』

「そうよ。私はMよ。」

『へぇ。ところでいつになったら裕太返してくれる?』

「あ〜嫉妬してる。いいわよ。すぐ返すわ。」


んんん?俺を通さずに俺のこと決めるのやめないかな?


「裕太、あんたそーいうことだから帰りな。」

「…は?」

「先輩、帰ってあげてください。」

「お、おう。…わかった。」

「金は置いてってね。」

「なんでだよ!置いてくけどさ!」


やっぱりね、思ってたよ。知ってたよ。はぁ、タクシーで帰ろ。金かかるけど、もういいや。

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