第6話 指揮するオペレーター5
試験が終わった私たちは第4訓練場から出た
本当は時間配分があって別々に出ていくけど、敵も味方も分かってる状況でやる必要性はない
だからみんなで出ていった
訓練所を出ると自軍の指揮官が
「てめぇ。何してんだ!!俺の計画通りにやってれば勝てたんだよ!!指揮官の命令さえも聞けねぇのかよ!!?お前、教官に訴えるぞ!」
「それはお前の方だ」
正面を向くと教官が仁王立ちしていた
野太い声とデカくて筋肉質な体、切れ目で冷たい顔は怖がらせるのに十分だ。指揮官の彼はどうやら鈍いらしい。頭が悪いのが丸わかり
「へ?」
「お前は何も分かっていないんだな。『
「俺は真っ当に………」
「真っ当だったらオペレーターが指揮することも無い!自軍に暴力を振るうことも無い!お前は指揮官として策士として能がない!」
それを聞いた彼は私の胸倉に込めていた力を抜いた
絶望してるのだろう。いくら頭が良くても適正なければ入れない。詰まるところ、こいつは裏で科に入れるように手引きしてもらったんだろう
私は彼の手を自分の胸倉から外した
そして教官が私の方を見た
「紅月。君に用事があるらい。上からの急ぎのお呼び出しだ?場所は校長室」
なぜ校長室?普通、職員室じゃない?
校長室…相当な上の人が来ているかするとも職員室とかで話せるような軽い話ではないということ?
私は教官を見た。教官はニコニコしたままで特に何も言わなかった。おそらくその場に行けば分かるということらしい
「…………了解しました」
「急いでいけよ?」
「はい」
わたしは取り急ぎ、校長室に向かった。職員室の近くにあるから通ったことはあるけど入ったことはない
もしかしたら何か違反でもした?
いや、でもそんなことしていないはず……
そう信じて校長室のドアを開けた
そこには帝国立第3軍大学校の校長先生と学年主任の先生、それと特殊部隊の司令官などなど約7名のお上の方がいた
校長先生が手に持っていた封筒を私に渡した
「特殊指揮作戦科の編入許可書だ。この件を見て君の能力の高さが再評価された」
「そうですか」
私はホッとため息をついた。てっきり退学とか言ってくるんじゃないのかと心配になってしまった
すると背の高い軍人がもう1枚の書類を渡してきた
「それともう1つ。君は第1軍大学校の編入することが決まった」
「……え?帝都のですか?」
帝国立第1軍大学はハイレベルだ。貴族が多いのもあるけど何よりは帝都にはたくさんの人々が住んでいる
当然、倍率は高くなるし中央方面軍本部がある
それだけでも上役に目に留まりやすくなるし見学が多い。それでレベルが高い
私は受けずに地方の軍大学に真っ先にした
その学校に入れと言われればそりゃぁ、嬉しいしびっくりもする。なんなら今冷静なこと自体がおかしい
いや、夢に違いない絶対に夢!
おかしい!!確かに第1に行けるほどの首席には勝った。だからってこれは少し高すぎません?!
「……わ、私がですか?」
「ああ。細かいことは私が渡した書類に書いてある」
「は、はい……」
「もう来月で吸血鬼化するそうだな………」
「はい」
「そうか……。虐められないように頑張りなさい」
「………はい」
その後、お開きになった
私は部屋に戻り、書類を見た。吸血鬼化を今月に早めることと必須書類はなくそのまま移すことが書かれてあった
私物を持って帝都にいけと言った感じだった
今月は始まったばかり。今は1月
吸血鬼化は最低1ヶ月の安静が必要……
多く見積って2ヶ月時間を与えたのが見てわかる
吸血鬼化はとてもキツかった。夜は身体中が痛くなるし昼間はだるくてずっと寝てしまう。そんなふうだから昼夜逆転してしまった
怠惰なような気がして滅茶苦茶、いや!
吸血鬼化を推進させる薬を最初飲んだ時は特に何も無かったのに………
まぁ、どの道受けるなら変わらないけどなんか勉強遅れるから嫌なんすよ。こんな夜中にしょうがなく勉強してるけど
それでも4時になれば飽きるし終わるんだよね。それで困って動画を見てるんだけどさ
どうやら皇太子殿下が人気らしい
最近、その動画がやたらと多い。まぁ、イケメンだから見飽きたりしないけどさ
確か私と同い年だった気がする。大学はどこ行ってるのか知らないけど。同い年でここまで容姿が違うとなんかほんとに同い年なのか疑いたくなるね
それにしても痛い!関節痛いしめっちゃだるくて重い
早くこんなの終わってしまえ!!!
てなりますよ。そりゃぁね?
そう思いながらも何とか終えた吸血鬼化
魔力は推定より多かったらしく先生に『良かったですね』と言われてなんとも言えなくなった
5000Mなんて魔道士の中でも中の上くらい。大体の吸血鬼化した人は7000Mが多い。それを考えると弱いんだなぁって実感してしまった
容姿はまぁ、前よりは美しくなったけど帝都の人たちを考えるとそこまででもない気がする。色白がさらに増して死にそうな人にならないといいけど
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