第二章-勘弁してくれ異世界-
第1話 謎と謎の邂逅
どうして私は暗闇にいるの?さっきまでみんなで覚醒極武器を作った記念のスクショを取っていたのに。
急に光に包まれて次は暗闇。もう訳がわからないなぁ。
覚醒極武器を作ったから何かイベントが起きたのかも。
とにかく周りを確認しないと!!
「<ライト>」
私は神官だから光を出す魔法も使えるんだよ。
「あれ?みんなは?」
ここはどこだろう。壁が土だし洞窟かな?
「小さき者よ」
「きゃっ、何!?」
後ろ?上?から声がする。みんなの声じゃない、怖いよぉ。
「小さき者よ」
「はい!?」
また呼ばれた。私は小さいから絶対私のことだ。小さくないけどね!!
怖いけど呼ばれて無視するのは失礼だし思い切って見てみよう。
…やっぱり思い切るのは怖いからそーっとみよう。
「…タコ? わぁ、おっきいー」
なんでこんな暗い洞窟にでっかいタコがいるんだろうな。ピンク色のタコなんて知らないし、新しいステージなのかも。
「小さきものよ。我を殺しに来たのか」
「ころ!? そんなにひどいことしないよ!!」
おっきいタコさんが怖いこというからびっくりしちゃった。
「そうか…ならば去れ」
なんだか悲しそう。
あれ?よく見ると怪我してる。
「タコさん。怪我、痛い?」
名前分からないし、タコさんって呼ぼう。
「これは定めだ」
何言ってるか分からないよ。でも悲しそうなのは放って置けないな。ゲームなのに悲しそう? なんでそう思うんだろう。でもいっか。そう思ったならそういうことなんだ。
「治してあげる」
「何を」
「<愛の献身>」
モンスターでも回復できる<愛の献身>なら大丈夫。少し時間は掛かるけど待っててね。
「この光は…………暖かい」
タコさんが気持ちよさそうにしてる。回復してあげてよかった。
でもなんかぴしぴし音がするな。なんだろう?
「タコさん!? 割れてるよ!?」
タコさんが割れ始めちゃった!!どうしよう。ああ!!崩れちゃった!!
「タコさん…」
私が回復したのがダメだったのかな。何か間違っちゃったのかな。
「案ずるな小さきもの」
「わっ!! 小さいタコさん!?」
割れたタコさんの中から小さなタコさんが出てきた!?
「感謝する小さきものよ、我は」
「かわいーーー!!」
おっきいときは怖かったけど小さいとすっごくかわいい!!かわいい!!
「我は」
「私はラリルレ!! あなたはロロちゃんね!!」
「我は」
「んふふー、みんなに見せてあげよう!!かわいいー!!」
「我は」
「抱きしめちゃう!!」
「我は」
「頭に乗っけてロロちゃん帽子!!このままレッツゴー!!」
「我……」
早くみんなに見せて可愛さを分けなきゃ。そういえば、みんなはどこに行ったんだろう?
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