第14話 シアスタの恥ずかしい告白
「うっま、なんだこれ」
オレが最初にとった謎肉の串焼きは焼き鳥みたいな見た目をしていたが、食感は瑞々しくコリコリとしていた。肉なのに瑞々しいし、それでいてコリコリとはおかしな表現だが、それ以外にあらわしようが無い。
もちろん、当然の如く串は折れた。
「こっちのミートパイも美味い」
ソーエンは口元のマフラーの前に歯型のついたミートパイを持ちながら言う。
謎串焼きをほおばりながら横目でソーエンを見てみると、ミートパイと、それを持った手が一瞬消え、食べ進められたミートパイが出現するといった奇妙な食事風景が観察された。
「まだそれ続けんのか」
リアルの頃から、ソーエンと外食するときはこのスタイルが徹底されていた。
オレは、ソーエンが片手で一瞬マフラーの隙間を開けて、もう片方の手を口元に持って行って食べてる動作を高速で行っているんだ思ってた。でも、あるときに気がついた。コイツ器を持ちながら食べてるし、何よりどれだけ眼を凝らしてみてもマフラーが一切開かれていなかった。どうやって食べてるの聞いたが教えて貰えず、考えるのもバカらしいのでとっくの昔に思考を放棄していた。
この身体になったら何か分かるんじゃないかと思って見てみたけど、やはりサッパリ分からなかったから、オレはまた考えるのをやめて食事に集中することにした。
目の前に並べられた料理はどれも美味くて、食べても食べても手が止まらない。
スプーンはここでも木のものが使われていたので使わず、器を傾けて口の流しこむようにして飲み、串は折らないようにしながら口に詰め込む。安心して食えるのは手づかみで食べることのできる料理くらいだった。
傍から見れば下品な食べ方かもしれないが、出来る限り迷惑をかけないためにはこうするしかないんだ。許してください。
「あの、そろそろいいですか」
食べながらと言ったのに食べることに夢中で自己紹介を忘れてしまっていた。
シアスタの方を見るとほとんど食べ終わっていたので、オレ達はずいぶん長いこと食事に夢中になってしまったようだ。悪い事をしたな。
「悪い悪い、あまりに美味くて夢中になっちまった」
カウンターの方からオバちゃんの、そりゃどーもという声が聞こえてきたので軽く手を振る。
「まずは私から行きます。お二人は食べててください」
シアスタはさっきから手が止まらないオレ達に気を使ったのか、まずは自分から行くと言い出した。
すまない、一度火が点いた胃袋は手を止めることを許してくれないんだ。
「私はシアスタと言います。種族は氷の精霊で、年は14歳です。レベルは15でクラスは後衛アタッカーです。師匠から、故郷を出て見聞を広めるようにと言われ、旅に出て最初にこの都市に来ました。冒険者になったのは旅をしながら路銀を稼ぐのに丁度いいからです」
「氷の精霊?」
「知らないですか?」
「伝え聞いたイメージはある」
「そうですか」
精霊といったらマンガとかゲームでよく見るやつか。
確かに全体的に白いし精霊っぽいっちゃぽいが、もっと小さいものだと思っていた。
街中で出会えるもんなんだな。
「でかいんだな」
ソーエンも精霊はもっと小さいものだと思ったしい。
「でかい? えっと…いいえ、見ての通り普通ですよ。14歳ですし」
そして今の質問で精霊は人と変わらない成長をすると分かった。精霊は不滅や長寿のイメージがあったが、それはオレ達の世界での設定とは違うみたいだ。
……14歳でその身長は普通か? ちっちゃくない? いやまぁ…体の成長は人それぞれだから口に出すようなことじゃないけどさ。
「精霊ってこと内緒にしなくていいのか?」
ゲームやアニメで得た知識では、精霊は秘境などに住んでいて、限られた人間しか会えないイメージがある。
「いえ、特には。普通にそこら辺にいますし」
オレ達のファンタジー常識はこちらの常識と少し違うみたいだ。
なんか神秘性が薄れる回答だなぁ…普通にいるのかよ。
にしても何か引っかかるんだよな、氷か…何か忘れているような…。
「思い出した!!ゲロ雪!!あれも氷の精霊だからか?」
「あ゛ぁ゛~!!思い出さないで~」
シアスタは急にテーブルの下にもぐりこんでえぐえぐと泣き始めてしまった。
やばい。思い出した衝撃で反射的に口にしてしまったが、よくよく考えるとデリカシーが無さ過ぎた。
泣かせるのはダメだって!!
「ごめんごめん!!つい口が!!ソーエン、オレの口を塞いでくれ」
「任せろ」
オレはソーエンにアイアンクローをしてもらい口を塞ぐ。
食べることは出来なくなるし、若干痛いがこの子にしてしまったことに比べればまだまだ足りない。
「いえ、いいんです。我慢できなかった私が悪いので」
テーブルの下からひょっこり出てきたシアスタは椅子に座り直す。
まだシアスタの涙は止まっていないが、そのまま話は続けられた。
うっ!!心が…!!
「氷の精霊が雪を吐くってどういう意味か分かりますか?」
「知らん」
オレもアイアンクローされながら首を横に振り答える。
「そうですよね。当たり前ですよね……勘違いされても困るので、お二人には教えます」
そのことは知らないのがこの世界の当たり前らしい。
シアスタから真剣な雰囲気を感じてソーエンはアイアンクローをやめ、オレ達二人はシアスタに身体を向けて聞く姿勢を作る。
「話したくないなら話さなくていいぞ」
気にならないわけではないが、泣いてしまうほど恥ずかしい話なら無理に聞き出したくない。
「いえ、知らずに言いふらされると困るので話します」
シアスタは袖で涙をグシグシと拭いて大きく深呼吸し、心を落ち着かせているようだった。
子どもがゲロを吐いたなんて、言いふらすつもりはないんだけどなぁ。
何回か深呼吸をして落ち着いたようで、シアスタは口を開き話し始めた。
「あまり他種族には知られていないようなんですけど、精霊はみんな知っています。でも皆秘匿します」
吐くのはシアスタだけじゃないのか。
精霊全てが知っている秘匿したい知識とか、もしかして何か壮大な話になっているのでは。場合によっては仲間の命が危ないかもしれない。聞き逃さないようにしよう。
「私達精霊は、心や身体に強い刺激が与えられると魔力の制御が揺らぎます。そして……限界を超えると暴走を始めます」
「暴走だと」
ソーエンも気になったのか声を出す。
もしかして昨日吐いていた雪は危険な魔法だったのかも知れない。
血にまみれて汚かったし、アレで雪合戦しなくてよかった。
「はい。そして、魔力が暴走して限界に達すると…」
「達すると…?」
シアスタはこの先が言い辛いようで少し黙ってしまう。その静寂が、三人の間に緊張を走らせる。
雰囲気に呑まれたオレ達二人は思わず喉を鳴らしてつばを飲んでしまった。
そしてシアスタは意を決したように口を開く。
「吐きます」
…………。
「で?」
まだだ、何か続きがあるはずだ。危険な何かが。
「終わりです」
「爆発とか世界が滅亡するような魔法は?」
「そんな物騒だったら、世界がいくつあっても足りませんよ。精霊は小さい子ほど吐き易いです」
そんな訳ないと言いたげな呆れ果てた態度で反論されたよ。
「驚きました。本当に師匠が言ったとおり、他の種族はこの話を聞いてもなんとも思わないんですね」
「なんとも思わないわけじゃないけど、誰だってストレスが限界だったら吐くだろ」
人は誰しもゲロを吐く。ましてや、今回吐かれたのは雪だ。汚い印象が全然ないからそんなに気にならない。
「真剣に聞くほどの話ではなかったな。バカバカしい」
ソーエンはそう言って食事を再開する。
壮大な話なのかなって思ってけど、予想以上に平和な話しだったな。
オレも肩の力が抜けちゃったよ。
「師匠曰く、人間にとってのお漏らしに近いそうです」
……!?
付け足された言葉に驚愕してオレ達二人はシアスタに思いっきり顔を向ける。
「お前、人前でそんなことを暴露するんじゃない!!」
「恥じらいというものがないのか」
「えぇ……」
すごい剣幕でお説教をしてしまい、若干引かれる。
「精霊はトイレをしないのでお漏らしの恥ずかしさは分かりません」
なんだその昔のアイドルみたいな設定は。
「じゃあ食べたものはどこ行ってんだよ」
「全て魔力になります」
えぇ……。質量保存の法則も魔法の前じゃ顔なしだよ。元の世界の物理学者が聞いたら卒倒しそうだ。
「精霊には分からんかも知れんが、お漏らしは恥ずかしいことだ」
ソーエンも堪らなくなったのかシアスタに助言をする。
「私には吐いたところを見て平気な他種族の方が信じられませんよ。この年で吐いたことを他の精霊に知られたら数年はバカにされます」
「って言っても……吐いたの雪だったしなぁ」
「言わないでください。泣きますよ」
「ごめんなさい……」
最強の脅し文句を言われてしまった。
お互い常識が違うようで、どうにも噛み合わない。
でもオレ達の感覚で考えると、漏らしたことを他人に知られてバカにされるってことだよな。それは確かに辛いことだと思う。
「もしかしてすぐ泣くのもお漏らし的な?」
これは確認のためであって、決して苛めているわけではない。その涙に意味があるのかどうか聞きたいだけ。
一応、涙はオレ達に見られていても隠さないから大丈夫だろうと判断した上で、事情を知ろうと質問している。
「いえ、あれは魔力は関係ありません。氷の精霊は興奮すると身体が溶けて泣きます」
「えっ!?大丈夫なのそれ?」
シアスタは昨日ずっと泣いてたし、今日も何度か泣いている。
このままだと溶け切っちゃうんじゃないか?
「溶けた分は魔力ですぐに戻るので大丈夫です。別に泣くのは恥ずかしくないので無視してもらって構わないです」
泣くのは恥ずかしく無いのか。
ってか魔力ってすげー。万能エネルギーじゃん……。
異世界で分からない事だらけなのに、そこに魔法を出されるともうお手上げだ。考えるだけ無駄だ。考えることよりも、今目の前のことについての結論を出そう。
「まぁいいや、事情は分かった。絶対に誰にも言わない」
「俺も約束しよう」
「ありがとうございます。絶対ですよ」
シアスタは念を押してきたが、安心した顔でお礼を言ってくる。
それにしても14歳か。たしかギルド登録が可能になるのも14歳以上だったから、このギルド最年少組だな。
言いたいことは全て言えたのか、シアスタは食事を再開し始めた。
シアスタの自己紹介が終わったので、オレ達の番が回ってくる。
「次はどっちがやる?」
「どっちでもいい」
ソーエンとオレはじゃんけんをして、負けたほうが自己紹介を始めることにした。
オレがグー、ソーエンがチョキでオレの勝ちだ。
「俺か」
ソーエンが自己紹介を始めるなら、オレは飯を食わせてもらおう。コイツのことなんて大体のことは知っているから聞く意味は無い。
「俺の名はソーエン。種族は……デイウォーカーだ」
まだその設定引きずってたのかよ。
「生き物はほとんどそうだと思います」
シアスタにも俺が言ったことと同じようなことを言われたいた。
「……人間だ」
ソーエンが折れちゃったよ、しかも嘘ついてるし。まぁ、ばらしてもばらさなくてもコイツは顔が見えないから関係ないか。
食事を楽しむつもりがついついソーエンの言葉にツっこんでしまう。
「レベルは21、クラスは中衛だ。今ははぐれた仲間を捜すためと生きるために冒険者として金を稼いでいる」
「仲間ですか?」
同じく異世界に飛ばされたクランメンバーのことだ。
「ああ、コイツと俺のほかに5人いる」
「この町ではぐれたんですか?」
「いや、転移事故で散り散りになった」
「そうですか……お気の毒に」
転移事故で通じるもんなんだな。
散り散りになったことは本当だけど、その原因は転移事故かは分からない。
そもそもオレ達はなぜこの世界に来たかも分かっていないが、それは仲間が全員見つかった後で話し合おう。バカなオレ達だけじゃ考えても答えなんて出せないからな。
「それではもうアステルから出て捜しにいくんですか?」
なぜか少し不安そうにシアスタが聞いてくるが、その真意は分からない。
「当分はここを拠点にして情報を集めるつもりだ。闇雲に捜す訳にもいかないからな」
シアスタの質問にソーエンは淡々と答えている。
今はソーエンのターンだしオレが聞きたいことは無いので、口を挟まず口を動かして食事をする。
「そうですか」
不安そうな顔から、安心した顔に変わったシアスタが返事をする。
なんだろう? 何かオレ達に頼みたいことでもあるんだろうか。
「もう大丈夫です。ありがとうございました」
どうやらシアスタの聞きたいことは今ので終わりだったらしい。結構あっさり終わったな。
次はオレの番なので、口に入れ始めたミートパイを飲みこんでから自己紹介を始めようとしよう。
「追加持って来たよ」
ミートパイを飲み込んだタイミングで、オバちゃんがまた両腕に料理を乗せてテーブルの前に近づいてきた。なら料理を受け取ったら始めることにしよっと。
テーブルの上は、カウンター側の方はスペースがあるが、そこ以外は皿が乗っているので流石にさっきの配膳方法は無理だろう。
今度こそ手を伸ばして料理を受け取ろうとする。
「おや、あいてるお皿があるね。貰うよ」
そう言うとオバちゃんは、上体を低くして右腕に乗っている料理を手前側の空いたスペースに置くと、自由になった右手でテーブルの上を軽く叩く。
気づいた頃には空いた皿全てが空を飛んでいて、陶器類はエプロンのポケットに吸い込まれるように入っていき、木の器はオバちゃんの空いた右手に重なっていった。
「空いたところに置いておくれ」
オレ達はあっけに取られながらオバちゃんの指示に従って、左腕の残った料理を受け取りテーブルに置く。
流石に投げる配膳技は持っていなかったようだ。
「今度こそ魔法でしょオバちゃん!!」
料理を置き終わり、ハッとしたオレは確信を持ってオバちゃんに質問する。
「魔法なんて使えないって言ってるだろ?これもテクニックさ。これで注文は全部だよ。足りなかったらまた頼みにきな」
配膳と回収が終わったオバちゃんはまた厨房の方へと戻っていく。
こんなことが出来るテクニックってどうんなんだよ。まだ魔法のほうが納得いくわ。
「世界って広いんですね師匠…」
「本当に何者なんだ」
またテーブルの話題はオバちゃんに向きそうになる。
オレも自己紹介よりオバちゃんについての談義をしたい。
「オレの自己紹介いる?」
だから思わず聞いてしまう。
「いります」
「オバちゃんの自己紹介のほうが聞きたいんだけど……」
あの人の経歴や能力を聞いたほうが面白そうだ。というか単純に知りたい。
「私はあなたの自己紹介が聞きたいんです」
シアスタが嬉しいことを言ってくれる。
そこまで言われたんじゃ、やらないわけにはいかなくなる。
満更でも無いので期待に応えるとしよう。
「オレの名前はイキョウ、レベルは20。種族は人間だ。クラスはレンジャー。目的はソーエンと同じだから割愛」
ソーエンはさっきのオレのように興味が食事の方向に向いていて、聞いているのはシアスタだけだった。
「ソーエンさんのときも思ったんですけど、あれほど強いのにレベルが、その……一般的というか…」
低いと言うのは失礼と思っているのかシアスタは言葉を濁しながらこっちが察するのを待っているようだった。
「本当は320だ」
「子供だからってからかっているんですか?」
本当のレベルを言っても信じて貰えなかった。
昨日のオレ達を見ているシアスタでさえ信じないならこの先誰にも信じて貰えないだろう。
もう諦めて、この世界では20レベルとして生きていくか。
「うーん、冗談冗談。テクニックさ」
「なるほど。あのおばさんのように、技術的な強さだったんですね」
シアスタはオレの言葉であっさりと納得した顔になる。
力を見せたオレ達よりも、食事を配膳したオバちゃんの方が信用されるってなんか複雑な気持ちになるんだけど。
「イキョウさん達はこれからどうするんですか?」
しかもオレへの質問がもう終わってる。嘘だろ?
結構気合入れてたから質問には何でも答えようと思ってたのに。
「どうするだってよソーエン」
悲しいが、オレのターンは終わったのでソーエンともお話をしよう。
漠然とした予定は決めているが、具体的な予定は決めていないのでソーエンと相談して決めることにする。
「なんだ一般レベル」
んだコイツ? 急に罵倒してきやがったぞ?
コイツもオレと同じで、絶対食べながら心の中でツッコミを入れていたろ。
「お前も同じだろうがこの散歩ヤロウ」
「なんだと」
デイウォーカー、日の下を歩くものだから散歩みたいなもんだろ。
オレとソーエンは立ち上がってお互い言い合いを始める。
「予定を聞いただけなのにどうして争いが始まるんですか……」
シアスタがまた呆れた顔をしてオレ達を見ているが、そんなんで引き下がるようなオレではない。今日こそ白黒ハッキリさせてやろうじゃねぇか。
「……お二人は仲が悪いんですか?」
シアスタは不安そうにしながらオレ達に尋ねてくる。
それだけは、シアスタに聞かれた質問だけは何があっても無視できない。
「いや親友だ」
「もちろんだ」
オレとソーエンはすぐに喧嘩をやめて肩を組み合い、シアスタに友情を見せ付ける。
オレ達は誰が何を言おうと、これからなにがあろうとこの関係が変わることはないだろう。
クソ憎たらしいときでも、オレが狙ってたレアドロップをコイツだけが取れたときでも、その逆のことがあっても殺し合いだけはしなかった。もちろんそれ以外はなんでもやりまくった。
「えぇ……人間の距離感が分からない」
シアスタは呆れと困惑を同時に引き起こしながら若干引いていた。
親友アピールしたら興が削がれちゃったな。
「で、これからの予定だっけ?」
「あっさり喧嘩が終わりました……」
オレ達は毒が抜けてしまったのでテーブルに座りなおし、また食事に手をつけながら話を再開する。
「まずは宿だ。もうギルドで寝たくは無い」
ソーエンが尤もなことをいったのでオレも同意する。
「「……」」
そして二人で料理を食べながら黙り込む。
「それ以外は?」
そしてオレ達の胸中を知らないシアスタは、答えを急かすように聞いてきた。
お金はまだあるからクエストを急いで受ける必要は無い。服はアイテムを使えば綺麗に出来るから今のところは新しいものはいらない。食事は金があれば出来るし、今も食べているから今後の予定には入らない。
衣食住の内、今無いのは住だけ。それも宿に行けば即解決だ。だから他にすることが思いつかない。
仲間捜しも、こちらに来て一日二日で情報が出回っているとは思っていないだろうから、すぐに行うものでもない。この町にいる可能性を考えて、後でギルドに張り紙とお願いをしに行くくらいか。オレの仲間達だったら絶対に冒険者になるはずだから捜すならギルドだ。
とりあえず今考えたギルドのことをソーエンにも話し、同意を貰う。
そしてまた黙り込んで考える。
大目標の仲間捜しはあるが、それ以外特に直近の目標が無い。
「町の散策でもするか」
ソーエンが提案をしてくる。
「うーん、それでもいいんだがなぁ…シアスタはどうするんだ?」
あまりに具体的な案が思いつかないので、参考にするためにシアスタに聞いてみよう。
「え、わ、私ですか?」
急にシアスタに振ったので困惑してしまったようだ。
「その、私は、えっと…その」
シアスタは言いよどんでいるが、もしかして何かやましいことでもしようとしてるんじゃないだろな。面白そうだったら参加させてもらおう。
「お二人にお願いがあります」
シアスタが決心した顔でこちらを見ていた。
さて、面白そうなことを聞かせてもらおうじゃないか。
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