第16話 邂逅

 アリスの周りには、いつも誰か周りにいる。王族なんで、学院のトップカーストだ。華があるし、人が集まるのも当然のことだ。


 ただ何故か、今日だけは、誰も周りにいなかった。こんなチャンスは、2度とないかもしれない。


勇気をだして、声をかけてみよう。


「アリス、久しぶり、元気だったか?」


「あなたは誰ですか?わたくしを呼び捨てにして、よいと思っているのですか?」

いきなり、知らない年上の男が、声を掛けてきました。

またナンパですか、わたくしには、心に決めた男性がいるのです。


えっ、、忘れられてるの?マジでか。


「えっ、カイトだけど、おぼえてない?」


「えっ、カイト??」


 全然雰囲気が違います。カイトはそんな覇気のないひとじゃない、ぜったい人違いですよね。たしかに、顔立ちは、似てるような気もしますが。


 もう少し会話をしたかったけど、アリスの同級生の顔立ちの良い、身なりの良さそうな男子が、遮ってきた。こいつ、間違いなくアリスを狙ってそうだ。邪魔だな。


 アリスとの出会いは、中途半端に終わった。


これ以降、まったく会う機会はなかった。

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