第17話 卒業試験

 どうにか、ギリギリの成績で、単位は全て取り終えた。あとは卒業試験だけだ。

 魔力ないのに、卒業試験とかムリだな。

召喚獣の黒龍様に自分の元にかえってきて、もらうか。それか、1日だけなんとかしてもらえるように、交渉してみるか。


試験の前日の夜に、黒龍を寮の自室に、こっそり呼んだ。

 

「たのむ、1日だけでいいから、魔力を返してくれ。卒業試験は、さすがにムリだ。」


「貴様、約束を違えるのか。男に二言はないのではないのか、情け無い。まぁ、よい。1日だけだぞ。

返す期間が1001日になるぞ。それでよいな。」


「ありがとう、助かる。この恩は必ず返すから。」


卒業試験、当日。

模擬戦、いつものように、魔法がまったく使えないと思っていた対戦相手に、上級魔法で、圧倒的に完膚なきまでに、一瞬で倒した。


卒業試験は、合格し、無事に学院を最下位の成績だけど、卒業できることになった。


対戦相手も、観戦者も、何が起きたのか、、

理解不能だったようだ。


 こっそり、アリスもカイトの卒業試験の模擬戦は、観ていた。あの約束も覚えていたが、どうすればいいのか、わからないまま時だけが過ぎていった。


こうして、アリスと話せないまま、カイトは学院を卒業した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る